
本屋で見かけた時、思わず手に取り、衝動買いした1冊。
この手の本は好きで、過去にもこの手の本は何冊か買っている。
これは、かつて少年漫画誌を飾ったグラビアを復刻したもので、当事夢見た「人類の未来図」が描かれている。
中には少し滑稽な絵もあるが、その絵には、見ている子供を説得させてしまう緻密さがあった。
未来には、こんな世界が待っているような気がしたし、自分が大人になったら、この絵のいくつかは実現しているのだろうとも思ったものだ。
未来に夢を馳せていたのだ。
科学の進化は、いいことだらけ・・そう思っていた。というか、何の迷いもなく、そう「思えて」いた。
だが、現実には、科学の進化によるデメリット・・・たとえば環境破壊、人間内面的・精神的なものへの悪影響など・・などがあることは、当事まったく予想もしなかった。
母星・地球を離れて異星で暮らすことになった場合の孤独感、心細さ、郷愁感。
基地などの狭いエリアの中で長期間の生活で仲間割れが起きた時の対処。
機械に仕事を奪われてゆく失職。
開発による自然破壊。
エネルギーの奪い合いによる闘争。
そのほか、色んな問題があるのだが、こういうグラビアに熱中してた時は、そんな「現実的な問題点や懸念」には考えがいかなかった。
発展にはデメリットもつきまとう・・ということを感じるようになったのは、大人になってからだった。
でも、そういう現実的な問題を気にもせずに、ただただ科学の発展がもたらす「明るい未来」を信じて疑わずに読んだ(見た)グラビアは、当事の少年少女をわくわくさせるには十分だった。
この本では、以下のグラビアが復刻され紹介されている。
もちろん、下に記載したもの以外のグラビアも紹介されている。
自動走路。
空飛ぶ車。
空飛ぶ遊覧船。
人工太陽。
宇宙タワー。
宇宙鏡。
海に浮かぶ東京。
海底ランド。
南極の未来都市。
高山や海底にも行けるハイウェイ。
絶壁を登るモノレール。
マンモス原子力列車。
垂直上昇による飛行機。
円盤型航空機。
ヘリサイクル(空飛ぶバイクみたいなもの)。
鉄人潜水夫。
高速潜水客船。
ロボットがロボットを作る工場。
深海救助ロボット艇。
病原菌と対決するマイクロロボット。
母親ロボット。
宇宙旅行。
月世界の乗り物。
光速ロケットによる土星探査。
ゴミと化した人工衛星を処理するタッグボート。
さまざまな惑星の様子。
コンピューターの限界。
怪獣図鑑。
未来の秘密兵器。
地球最後の日。
地球大脱出。
それ以外にも・・
小松崎茂さん、中島章作さん、伊藤展安さん、梶田達二さん、高荷義之さん、中西立太さん、南村喬之さん・・といった、当時の名だたる名挿絵画家の紹介。
漫画や小説の紹介。
雑誌広告、プラモデルの紹介。
少年雑誌の紹介。
などがこの本の中に記載されている。
当事描かれた「未来図」の中では、今では実現しているものもある。
高層ビルの間を走る高速道路。
自動走路はいわゆる「動く歩道」だろう。
東京湾がどんどん埋め立てられていってるので、海に浮かぶ東京・・ってのも、とうに実現してることになる。
海底トンネルだって、そうだ。
ヒューマノイド型ロボットにこだわらなければ、ロボットがロボットを組み立てる工場ってのも、どこかにありそうだ。
母親ロボットなどは、今で言う介護ロボットのようなものではないだろうか。
当事、こういうグラビアを見てて、一番未来を感じさせたのは「空飛ぶ車」「宇宙旅行」「海底旅行」だった。
このうち、空飛ぶ車はどこかの国で研究されてるようだ。
宇宙旅行は、少なくても一般旅行者レベルではまだ先のことになりそうだ。
海底旅行なんて、実現できないものなのかなあ。
ともあれ、当事夢見た未来は、少しずつだが、実現はしてきている。
ということは・・
こういうグラビアであった「終末論」がリアル化する日も近づいているのだろうか。
地球最後の日、そして地球脱出。
こういう本を読んでると、未来というものは何かの犠牲の上に成り立っている・・・そんな気にさせられる。
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