写真はスマホで十分、スマホでは十分でない、世の中にはいろいろな意見があります。
私としては、一部正解、一部不正解と思っていて、状況によって十分な時、むしろスマホの方がが便利な時もありますが、そうでない時もあります。
では実際に違いを見ていただきたいと思います。
カメラの詳細については後述しますので、今は一般的に考えられている一眼レフとの比較と思っていただいて問題ないです。
こちらiphone12でのスナップです。
こちら一眼レフ。
発色の違いは機種によりありますので割愛しますが、こういった状況だと両者の違いは現れにくいです。
ただよく見ると、背景の家の屋根がわかりやすいですが、スマホの方がシャープに写り立体感が表現しにくいかと思います。
もう少し強調してみます。
こちらがiphone12
こちらが一眼レフ
背景のボケ具合が違ってきています。
次はもっと極端にします。
iphone12です。後ろの看板がくっきり見えます。
こちら一眼レフです。
明らかに違うのがわかります。
ではこの3枚の違いは何か?
背景のボケ具合はカメラ性能を除いた場合、「カメラ→被写体:被写体→背景」この比率で決まります。
1枚目→2枚目→3枚目となるにつれて、カメラから被写体(バイク)までの距離が近くなっていくので、差が変化するのです。
つまり遠景であれば差が出にくいが、前述の比率が高いほど差が出やすくなります。
(もちろん他にも差はありますが、ツーリングスナップに限って説明しています)
でもスマホにはポートレートモードがあります。これ使えば一眼レフなんて必要ない・・・
そんなことないのです。
iphone12のポートレートモードで撮影しました。
お!背景ボケてるしいいじゃん!
立体感もあって迫力が増したようにも見えますが・・
そんな、わけないです。
いいと思ったあなたは目が肥えていません。
目が肥えなければいい写真ももちろん撮れません。
この写真、違和感だらけです。では詳細です。
ホイールのアップです。どうでしょう?
ポートレートモードは輪郭を検知して近景と遠景を分け、遠景に対しぼかしを入れる処理です。
ただ今の技術ではご覧のように、正確に検出できません。
人と背景のような単純な輪郭であればそれなりに写りますが、バイクのような複雑な形は検出しきれません。
スクリーンのアップです。
スクリーンは近景なのでぼかしの処理が掛かりません。でもスクリーンの後ろに写る遠景はボケないとおかしいです。
次はもっと条件悪くします。
うちのかご付きのアドレスV125です。カゴになるともうめちゃくちゃです。網が一部無くなってしまってます(笑
頑張っている感は伺えますが。
以上のように、スマホと一眼レフだと背景のボケに差が出ます。
ではこの差はどうして出る?ということになります。
カメラはセンサーで受光して撮影しますが、このセンサーサイズが大きいほど、加えてレンズの口径が大きいほど背景はボケるのです。
スマホは残念ながら物理的にこの部分が圧倒的に不利で、これが現時点でスマホでは超えられない壁になります。
いつも利用しているマップカメラさんの説明を拝借。
今回比較に使った私の愛機はフルサイズセンサーです。
フルサイズというのは、35mmフィルムの大きさ相当になります。
これだけ大きさに差があるので、当然受光量も違いますから、暗所に強かったりと他にも利点は沢山あります。
一般的なエントリーモデルの一眼レフですとAPS-Cサイズのセンサーが一般的で、フルサイズ機になるとボディだけで10万以上、またフルサイズはレンズも高価になります。
ちなみにAPS-Cのレンズをフルサイズで使えなくもないですが、撮像範囲がAPS-Cになってしまうので(その外側には光が入って来ない)、性能を発揮できません。
今回比較に使った機材です。
ニコンZ6 フルサイズのミラーレス機です。
ミラーレスとは、一眼レフと違ってレフ板(鏡)が無いのでミラーレスと呼ばれます。
違いはいろいろありますが、主流はもうミラーレスです。
余程の理由が無い限り、ツーリングに持参するのに一眼レフを選ぶ理由は無いと思います。
ミドルレンジ以上のボディはモニターも稼働するので、ローアングル、ハイアングルでも自由に撮影できます。
レンズはこちら、NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
便利ズームと呼ばれる高倍率レンズです。
広角から望遠まで広範囲で使えます。もちろん広範囲の分、画質は若干落ちますがツーリングフォトには十分すぎる性能です。
もし、今後カメラ購入を検討するのなら、まずコスト面からAPS-Cセンサー、もしくはもう一つ小さいマイクロフォーサーズになると思います。
マイクロフォーサーズはオリンパス、パナソニックが扱っています。
キャノン、フジ、ニコン、ソニーはAPS-Cです。
この中から予算に合わせて選んでいくのが妥当かと思います。
良くカメラ欲しいけど、画質の良いのはどれ?と聞かれますが、大昔は10万画素とか30万画素とかの時代でしたので、画素数=画質でしたが、現代では2000万画素以上が普通、iphone12でも1200万画素あります。
だからと言って、じゃあiphone12より一眼レフの方が画質いいじゃん?とはなりません。
理由はフルHDのモニターで200万画素、4Kモニターでも約800万画素しか表示できないからです。
プリントするにしてもA3サイズくらいの大きさでプリントしないと、プリンターのドットの方が粗いので差が出ません。
ですので画素数=画質の時代は大昔に終わっています。
あえて今画質というのであれば、メーカーによる発色の特徴の差や、センサーに使用される高度で高価な技術で差が出ますが、エントリーモデルを選ぼうかという人が認知できるような差ではありませんので、「画質の良いカメラ」というのは、ナンセンスな質問です。
くれぐれも購入時に店員さんに言わないようにしましょう(笑