イバラの道をスキップ

3年前に離婚しました。生涯孤独な57歳おばさんです。
茨の道をスキップで歩けるよう、只今人生を模索中です。

どうか生きて

2023-09-28 13:10:17 | 日記

昨日会社に行く途中、野良猫の子に出会いました。

 

学校帰りの子供たちと付き添いの父兄たちが、

何やら集まってわさわさしていました。

そこは地元でも結構有名な会社のビルの生垣。

その中に身を隠すように、小さな猫がうずくまっています。

 

子どもたちや大人たちは、皆困惑した表情でした。

何とかしてあげたい・・・。

でも生き物を飼うということは、生半可な気持ちではいけない。

家族として迎え入れる覚悟が必要。

私もその様子を遠目で見ながら、切ない思いで通り過ぎました。

 

「帰る頃には誰かに保護されていて。お願い」

 

仕事に就いてからも、ずっとその猫が気がかりでした。

祈りは通じているか・・・。

もし、あの場所に子猫がいたら・・・。

 

終業時刻になり真っ先にタイムカードを打つと、

子猫に会わないことを祈りながら足早にビルの前まで歩きました。

 

「にゃ~~」

 

いた・・・。

彼はいました・・・。

力強く鳴きながら、でも誰かにすがるような目で鳴いていた・・・。

 

目の前は大きな道路。

車もまだかなり多く走っている。

どうしよう・・・。助けたい・・・。

でも私には無理だ。

年老いた先住猫がいるし、もう子猫を飼える年齢ではない。

一時の感情で連れ帰ったとしたら、返って不幸にしてしまう。

 

第一、会社帰りだ。

どうやって連れ帰るのだ・・・。

 

しばらく子猫の前で立ちすくんでいた私に、

彼は「助けて・・・」とお願いするかのようにすり寄ってきました。

 

「ごめん・・・。ごめんね・・・」と言葉を掛けると、

振り返らずに駅に向かいました・・・。

 

そこはビジネスホテルや多くの企業が入ったビル、

コンビニ、タワーマンションなどが建っており、

かなり賑やかで人通りが多い街中です。

 

誰か、誰か彼を救ってほしい・・・。

 

一時的な保護でも、とりあえず命は取り留めることができる。

周りは多くの人がいる環境です。誰か助けてあげて・・・。

 

子猫一匹を目の前にして、どうすることもできなかった・・・。

無力な自分に、帰宅してから涙が出ました・・・。