昨日会社に行く途中、野良猫の子に出会いました。
学校帰りの子供たちと付き添いの父兄たちが、
何やら集まってわさわさしていました。
そこは地元でも結構有名な会社のビルの生垣。
その中に身を隠すように、小さな猫がうずくまっています。
子どもたちや大人たちは、皆困惑した表情でした。
何とかしてあげたい・・・。
でも生き物を飼うということは、生半可な気持ちではいけない。
家族として迎え入れる覚悟が必要。
私もその様子を遠目で見ながら、切ない思いで通り過ぎました。
「帰る頃には誰かに保護されていて。お願い」
仕事に就いてからも、ずっとその猫が気がかりでした。
祈りは通じているか・・・。
もし、あの場所に子猫がいたら・・・。
終業時刻になり真っ先にタイムカードを打つと、
子猫に会わないことを祈りながら足早にビルの前まで歩きました。
「にゃ~~」
いた・・・。
彼はいました・・・。
力強く鳴きながら、でも誰かにすがるような目で鳴いていた・・・。
目の前は大きな道路。
車もまだかなり多く走っている。
どうしよう・・・。助けたい・・・。
でも私には無理だ。
年老いた先住猫がいるし、もう子猫を飼える年齢ではない。
一時の感情で連れ帰ったとしたら、返って不幸にしてしまう。
第一、会社帰りだ。
どうやって連れ帰るのだ・・・。
しばらく子猫の前で立ちすくんでいた私に、
彼は「助けて・・・」とお願いするかのようにすり寄ってきました。
「ごめん・・・。ごめんね・・・」と言葉を掛けると、
振り返らずに駅に向かいました・・・。
そこはビジネスホテルや多くの企業が入ったビル、
コンビニ、タワーマンションなどが建っており、
かなり賑やかで人通りが多い街中です。
誰か、誰か彼を救ってほしい・・・。
一時的な保護でも、とりあえず命は取り留めることができる。
周りは多くの人がいる環境です。誰か助けてあげて・・・。
子猫一匹を目の前にして、どうすることもできなかった・・・。
無力な自分に、帰宅してから涙が出ました・・・。