アルビレックスは、かつて幾度も、アウェイ試合で惨敗・完敗・大敗を喫するという屈辱を味わってきました。
が、そうした一方で、そんな辛酸を舐めた後にやって来るホームゲームでアルビは、前節のショックを振り切るような戦いぶりを発揮して、立ち直ってもきました。
ジュビロ磐田は、第26節で、FC東京にスコア上、虐殺を喰らったのは御承知の通り。
7月17日の第17節で勝利して以来、まるまる2ヶ月間も勝利に見放された上での悲惨な負け方。
自動残留圏内からずり落ちて、このままでは2009シーズンをディビジョン2で過ごしそうな気配が強くなり、選手・スタッフは当然として、フロントとサポーターの危機感・切迫感は、尋常じゃあ、ありません。
そういう精神状態で迎える、ジュビロ磐田の聖地ヤマハスタジアムのゲームだから、ハッキリ言って、怖いです。
ぶっちゃっけ、明日、新潟が負けても不思議じゃない。
2シーズン前の悪夢のように、アルビがジュビロに再び虐殺されてしまうことは、十二分に有り得ると思いますよ。
第一、〝危機バネ〟〝虐殺バネ〟が働き、前の試合で完敗したのが嘘のように勝利してしまう例は、他ならぬアルビレックスが実証済みなのですから。
けどしかし、アルビレックスがおめおめと敗れることは許されませんよね、新潟サポの皆さん!
アルビが来季もJ1で戦うためには、そして5位以内に滑り込むためには、神戸-磐田-横浜-千葉の4連戦全て勝利するのが最善の道。
引き分けでは、眼下の敵である4クラブとの差は開かない上、順位で追い抜かれてしまいかねません。
ドローでもダメ、絶対に4連勝しなくちゃいけない、そういう剣が峰の精神状態で闘わないと!
きのう27日の時点で、確定16位のジェフU千葉の勝ち点と、暫定10位のアルビレックス新潟のそれとの差は、わずか「5」。
こりゃ勝ち点を「40」に伸ばしても、枕を高くして眠れませんわ。
取れるだけ勝ち点を取らないと!
とりわけ、マルシオが2試合出場停止という危険と隣り合わせにあるのだから、ホント、奪えるときに勝ち点を奪っておかないと、いかんでしょ!!
非常に懸念するのは、得失点差。
新潟の得失点差は「マイナス12」、これが最終節で大きく響いてくるのは必定。
残り試合が少ない中、得失点差の影響を最小限にするためには、①2試合か3試合のバカ勝ち試合を作る、②スコアは考慮せずひたすら勝ち点3ゲームを数多くモノにする、これしかありません。
本音ベースでは、ジュビロ磐田相手に[7-0]前後のスコアで快勝したいのだけど、手負いの虎ならぬ顔色の悪い取り相手に、追い詰められて逃げ場を失った鼠ならぬ顔色悪い取り相手に、そんな大勝で終わることは非現実的だと思います。
アルビが勝つとしたら、[2-1][1-0]といった僅差だというのが妥当でしょう。
でも、スコアがどうあれ、勝てばいいんです!
想像するに、本日のゲームは、この前の火曜日と同じような“心臓に悪い”“生きた心地がしない”展開になりそうな予感大です。
あ、吾輩は神戸戦を観ていないけど、観戦レポートを読むとそういう印象のゲームだったようなので。
だけど、ここでサポが臆病になっては駄目ですよね。
選手が辛い戦いに身を投じているんだから、うちらサポもその苦しみを〝共有〟して、〝分担〟しなくちゃならない。
精神的に苦しいけど、声を出し続けなくちゃいけない。
ジュビロサポだって苦しみながら応援するけど、うちらだって苦しさに耐えながら応援しなくちゃならない。
今日は、ある種、我慢合戦の様相を呈しそう。
ところで、ハンス・オフトは、J1残留のための戦略論として『ノー・リスク』を掲げています。
戦術レベルでいえば、自陣のスペースを消せるだけ消して、攻撃は前田やジウシーニョといった得点能力の高い3~4人に任せる――
ロングボールを蹴りこむ、一発カウンター頼みという、1世代前の中東サッカーを展開する――
ボール支配率は放棄して、FWも含めて守備意識を高くして引きこもり、攻撃はセットプレーに懸ける――
といったものでしょう。
ただ、事ここに至っても、オフト監督は『ノー・リスク』を貫くのか?
残留するための戦略として『ノー・リスク』は理に適っているけど、ジェフ千葉がリーグ戦2巡目から破竹の勢いで勝ち点を積み重ね、横浜FMが“塵も積もればマウンテン”的に地道に勝ち点を貯蓄して、磐田との差を離していく中、<勝つためのフットボール>じゃなく、<負けないフットボール>を貫くのか?
なにより、ジュビロの選手たちは、リスク覚悟の戦い方を志向しないのか?
オフトに直談判して、勝つための戦術を要求しないのか?
吾輩思うに、リスク覚悟の戦い方を磐田が選択してくれた方が、アルビに有利に働くのではなかろうか、と。
負傷者が続出し、選手構成のバランスを欠いているジュビロが、リスク覚悟の戦法を採ってくれる方よりバランスを崩して、アルビには与しやすいと思うんです。
逆に『ノー・リスク』の方が、やり難いのではないかと。
実際、磐田はリスクを懸けないサッカーをしているため、ここ3試合で奪ったゴールは「1得点」だけで怖さはありません。
でも、新潟は、昔からこういうノーリスクサッカーを苦手としています。
2シーズン前だったと思うけど、新潟は広島の超引きこもりの戦術に大苦戦。
ボール支配率は高いのに、ゴールをこじ開けることが出来ず、逆に佐藤寿人のカウンター一発に沈んで敗北したことがあります。
あのときのようなことが、ヤマハスタジアムで起きたら……
アルビはセットプレーからの失点が多いから、ジュビロにそこを突かれ、守り倒されでもしたら…
だから新潟としては、磐田の出方を伺い、まずは安全第一の戦いを遂行して、無失点で試合を進める。
膠着状態を良しとして、まずは我慢&我慢。
そして後半頭から、一気にギアを3段くらい替えて、怒涛の攻めを敢行する―
ただ、アルビがジュビロにお付き合いをして、前半から慎重に進めるのも????なんですよねえ。
今季の新潟の負け試合に共通するのは、キックオフから消極的だったということ。
反対に、試合開始と同時からアグレッシブな姿勢を見せると、高確率でアルビが勝っているんですよね。
鈴木アルビのテーゼが「攻守にアグレッシブ」だから、積極性を発揮できれば白星、できなければ黒星、というのは当たり前の帰結なんですが……
うーん、吾輩が監督だったら、どう指示するか悩みますなあ。
まあ、向こうが『ノー・リスク』で来るなら、こっちはリスク覚悟で最初からアグレッシブに闘え、と激を飛ばすかな。
どうも最後の締めが、まとまらなくなってしまいました。
言えることは、今日のジュビロ戦も総力戦。
絶対に勝って、気分良い月曜日を迎えたい、ってことさ!!