新潟は今年、42歳の新社長を迎えた。
アルビレックス新潟シンガポールの社長として実績を積んだ是永大輔氏だ。
18年度まで2年連続の赤字を計上していた新潟。
「クラブにとって大きな時代の転換点」と位置付け、再建に奔走した。
まず取りかかったのが経費削減だ。
選手年俸が多くを占め、強化費といえるチーム人件費を減らした。
18年度は11億800万円でJ2上位だったが、19年度は約35%減の7億1300万円を見込む。
この数字を仮に、Jリーグの18年度クラブ決算に当てはめると、J2でも中位となる。
今年度、クラブは黒字を確保する見通しだという。
「お金を使えれば使えるほど勝つ可能性は高まるが、カットしなければいけない現状があった」
経営規模が縮小し続きかねない状況だが「このまま手をこまねいているわけではない」とし、将来への種まきともいえる仕掛けを積極的に打ち出した。
念頭にあるのはサポーターの裾野拡大だ。
県内全市町村をホームタウン化。
選手の学校訪問など「ホームタウン活動」は昨季から2倍以上の1838回となる見通しだ。
昨季、1692回でJリーグトップだったJ1FC東京の数字を上回り、「恐らく今季は日本一」と是永社長は胸を張る。
デンカビッグスワンを「遊びに行って楽しい場所にしたい」とは運営事業部の武藤惇史部長。
さまざまな企画に取り組んだ。
6月に発売したペンライト「プラネタスワン」は約1万6千本を完売。
ナイトゲームのスタンドが光に彩られる光景は名物となった。
低迷が続くクラブにあって、是永社長は「電気、ガス、水道、アルビレックス、くらいの存在になりたい」と繰り返す。
チーム成績だけに左右されないクラブを理想に掲げる。
収入二本柱の状況は芳しくない。
スポンサー料などの広告収入は「1年でJ1に上がるという約束をしていた。
話が違うとお叱りをいただいた」(是永社長)と、昨季から約1億7千万円減るという。
入場料収入につながるホーム入場者数は1試合平均14497人。
昨季から416人減で、右肩下がりだ。
クラブの飛躍に勝利は欠かせない。
白星で飾った最終節、ビッグスワンに訪れた新潟市中央区の大学生、成田樹さん(22)は「勝ち続けることでファンではない人も来てくれるようになる」と語った。
試合後、選手会長のDF堀米は「目に見える結果で皆さまの期待に応えたい」と約束した。
スペイン人監督、アルベルト・プッチ・オルトネダ氏を招き、新体制で迎える来季。
チームの見せる姿が、クラブ再起への鍵を握っている。
2019年12月1日 新潟日報
アルビレックス新潟シンガポールの社長として実績を積んだ是永大輔氏だ。
18年度まで2年連続の赤字を計上していた新潟。
「クラブにとって大きな時代の転換点」と位置付け、再建に奔走した。
まず取りかかったのが経費削減だ。
選手年俸が多くを占め、強化費といえるチーム人件費を減らした。
18年度は11億800万円でJ2上位だったが、19年度は約35%減の7億1300万円を見込む。
この数字を仮に、Jリーグの18年度クラブ決算に当てはめると、J2でも中位となる。
今年度、クラブは黒字を確保する見通しだという。
「お金を使えれば使えるほど勝つ可能性は高まるが、カットしなければいけない現状があった」
経営規模が縮小し続きかねない状況だが「このまま手をこまねいているわけではない」とし、将来への種まきともいえる仕掛けを積極的に打ち出した。
念頭にあるのはサポーターの裾野拡大だ。
県内全市町村をホームタウン化。
選手の学校訪問など「ホームタウン活動」は昨季から2倍以上の1838回となる見通しだ。
昨季、1692回でJリーグトップだったJ1FC東京の数字を上回り、「恐らく今季は日本一」と是永社長は胸を張る。
デンカビッグスワンを「遊びに行って楽しい場所にしたい」とは運営事業部の武藤惇史部長。
さまざまな企画に取り組んだ。
6月に発売したペンライト「プラネタスワン」は約1万6千本を完売。
ナイトゲームのスタンドが光に彩られる光景は名物となった。
低迷が続くクラブにあって、是永社長は「電気、ガス、水道、アルビレックス、くらいの存在になりたい」と繰り返す。
チーム成績だけに左右されないクラブを理想に掲げる。
収入二本柱の状況は芳しくない。
スポンサー料などの広告収入は「1年でJ1に上がるという約束をしていた。
話が違うとお叱りをいただいた」(是永社長)と、昨季から約1億7千万円減るという。
入場料収入につながるホーム入場者数は1試合平均14497人。
昨季から416人減で、右肩下がりだ。
クラブの飛躍に勝利は欠かせない。
白星で飾った最終節、ビッグスワンに訪れた新潟市中央区の大学生、成田樹さん(22)は「勝ち続けることでファンではない人も来てくれるようになる」と語った。
試合後、選手会長のDF堀米は「目に見える結果で皆さまの期待に応えたい」と約束した。
スペイン人監督、アルベルト・プッチ・オルトネダ氏を招き、新体制で迎える来季。
チームの見せる姿が、クラブ再起への鍵を握っている。
2019年12月1日 新潟日報