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不和 信頼欠き一体感なく 舞行龍入り雰囲気改善

2019年12月05日 13時30分00秒 | アルビレックス新潟
「時代が変わっちゃったのかな」。
最終節を目前に控えた練習後。
GK野沢はどこか寂しそうにつぶやき、話し始めた。
「もう少しみんなで理解し、助け合うような声を出せたら、もっとまとまれたんじゃないか」

今季、11年ぶりに戻ってきた40歳は、かつての新潟のJ1昇格を知る唯一の選手だ。
「昔はもっと下手な選手がいっぱいいたけど、一つになって戦うことが強さだった」。
野沢は今季、チームの結果が出なかった理由の一つに、「一体感」の不足を感じていた。

ブラジル人5人が新加入した今季。得点王に輝いたFWレオナルドを筆頭に、助っ人は攻撃で力を示しはした。
一方、守備に走らない場面も目立ち、日本人選手は不満をためた。
シーズン序盤の敗戦後、「擁護できない」「信頼が揺らぐ」と日本人選手が怒りをあらわにすることがあった。

そうした不和が解消する転機が、8月末の第30節柏戦だったとMF戸嶋は捉える。
3連敗で迎えた首位との負けられない一戦に、ブラジル人3人の連係で先制。
追い付かれはしたが全員が懸命に走り、引き分けた。

「決定的な仕事の価値に改めて気付かされたし、彼ら(ブラジル人)もそれまで以上にハードワークをしてくれた」と戸嶋。
だからこそ、「彼らを受け入れつつ要求していくことを、もっと早くからできなければいけなかった」と唇をかんだ。

「ピッチでリーダーシップを取れる選手が必要だった」(DF堀米)状況にあって8月、J1川崎から復帰し、雰囲気を変えたのが31歳のDF舞行龍(マイケル)だった。
練習から「ナイス」「OK」と前向きな言葉を響かせ、ピッチ外でも若手らと積極的にコミュニケーションを取った。
「空気が良くない中でのプレーは、特に若い選手には難しい」と考えているためだった。

10月の第37節福岡戦。
後半からボランチでプロデビューを果たしたMF秋山に、チームメートは口々に「伸び伸び、やりたいようにやれ」と声を掛けた。
その言葉で「緊張も不安もあったが、吹っ切れた」と秋山。
高卒新人とは思えないような落ち着きと積極性を見せ、その後はスタメンに定着した。

新潟が巻き返したのは今季も終盤戦になってから。
一体となったチームは強かったが、全22クラブがしのぎを削るJ2では、その力をシーズン通して発揮する必要があった。

「自分にも他人にも厳しいことは悪くはないと思うが、どこかで調和は取らなければいけない」。
そう口にした野沢らベテランは新潟を去る。
J1昇格へ一丸で勝ち続けるチームになれるかは、後輩たちに委ねられた。


2019年11月30日 新潟日報

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