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決めるべきときに決める

2009年05月14日 18時00分00秒 | アルビレックス新潟レディース

後半のアディショナルタイムに得点を許しての敗北…或いは引き分け。
アルビレックス新潟は今シーズン、浦和レッズ戦とジュビロ磐田戦とで、そんな憂き目に遭った。
過去には、等々力陸上競技場での試合でも中村憲剛に決められてサヨナラ負けしたことがあるし、当時はジェフUに所属していた林丈統にゴールネットを揺らされて負けに等しきドローという結果に終わった経験もある。

一方で、ロスタイムにこちら側の選手によって得点が決まり、勝利もしくはドローという結果を掴んだときもある。
今シーズンは2度、昨シーズンは最終節の内田の得点、その前のシーズンは大宮戦のエジミウソンによるゴール。

アルビレックスが、J1に昇格して一番初めに記録した得点は、レイソル戦の「後半44分」の出来事。
更に「後半44分」にエジミウソンも続いて、それが新潟のJリーグ1部初勝利に直結。


この前の欧州CL準決勝[チェルシー×バルセロナ]もそうだったけど、後半アディショナルタイムで試合の決着がつくというのは、選手とサポの喜びを倍加させるし、同時に悲しみを倍加させるもの。
願わくば、金輪際、アルビレックス新潟の公式戦では、後半ロスタイムの得点で勝ったり引き分けたりすることがあっても、その逆というのは起こってほしくない。
でも、そうはいかないんだろう。
サッカーとは、スポーツとはそういうものだから。


アルビレックス新潟レディースが、10日に行われた東京電力女子サッカー部との試合で、無念の「サヨナラ負け」を喫した。

[2-2]のスコアのまま「後半45分以降」に突入。
このままドローというのが、客席の見方だったと思う。
新潟サポは当然のこと、マリーゼサポもそうだっただろう。
しかし、最後の最後、コーナーキックから失点。
5月2日にも同じような場面に出くわしたけど、それから8日後に、再び同じようなシーズンに立ち会うとは……

5月2日の埼スタ、5月5日の東北電ス、そして5月10日の五十公野、この3ゲーム全てを応援したという人は結構いるはずなんだけど、その方々にとってはなんとも堪える8日間だ。
けど、一番辛いのは、もちろん選手たち。
ゴールキーパーの大友麻衣子が、膝に手を当て、あんなに泣きじゃくったのは初めて見た気がする。
ちょうど1週間前に21歳になったDF波佐谷灯子は、幼児のように泣きはらす。

アルビレディースが後半ロスタイムにゴールを許して、その結果、負けor引き分けという展開は、2007シーズンの11月18日以来だと記憶している。
この日、新潟は三重県に乗り込み、残留争いのライバルである伊賀FCくノ一と対戦。
引き分けでも自動残留に大きく前進するという性格を帯びたこのゲームで、アルビLは[1-1]のまま、後半アディショナルタイムを迎えた。
が、そこで悲劇が起きる。
伊賀に得点を許して、まさかの敗北。
そのせいで、アルビレックスの降格危険度数は再び上昇することに。

あのときの辛さも尋常じゃなかったけど、この前の日曜日のも……

ヒガシが負傷退場したため、ディフェンス力が極度に落ちた状態ながら、2失点で抑えていたアルビレックスL。
[0-2]から、同点に追いついた新潟レディース。
そして、今季ホームゲーム初勝ち点GETまで、もうあと僅か、というところで零れ落ち……
「飛車」を開始早々に失うも、2点差を追い上げ、勝ちに等しきドローまでもう一歩というところでの敗戦は、グザリとハートに突き刺さるものだ。


でも、この試合、アルビレックスが勝てたゲームだった。
仮に、後半ロスタイムに失点したとしても、ドローで終わった試合だった。
どうしても「サヨナラ負け」に目が行き、センチメンタルな気分になるのだけど、冷静に分析すれば、〝勝てた〟試合だったんだ。

新潟Lのシュート数は、マリーゼの半分の7本。
このうち2本はめぐみの得点、残り5本のうち1つでも決まっていたら!

マリーゼの半分しかシュートを放てなかったが、5本の『空砲』はどれも〝超惜しい〟と形容されて然るべきもの。
“あと少し、コースがズレていたら”、そう嘆息するようなシュートばかり。
だから逆に言うと、それを決めていたら、アルビレックスは勝利できた可能性が高いのだ。

前半[0-1]の状況の時、何故か右サイドにいた左サイドプレイヤーめぐみにボールが通る。
彼女は、どフリー。
東電の守備陣はカバーできない、その上GKと1対1。
しかし、めぐみが放ったシュートは、ゴールキーパーの真正面に。

同日のサテライトリーグ、泉澤仁君が、めぐみと似たシチュエーションでボールを受けて、そしてゴールネットを揺らした。
それを見たとき、“ああ、メグもあれをなぁあ”と思ったものだが、ホント、あそこで得点をしていたら!
その後、めぐみが2GOALするわけだけど、あれも決めてハットトリック達成、ということも叶えられたかもしれないわけで。


後半[2-2]の膠着状態から、超俊足の中村早樹が投入された。
その彼女、後半40分くらいに、絶好のチャンスを迎えた。
バイタルエリアに侵入した彼女の前には、なぜかスペースが!
そしてシュートを放つ、も、GKの真正面。
〝がっとなシュート〟ではあったけど、キーパーの正面では、如何ともし難い。

アルビのパスワークとドリブルに、マリーゼの足がついていけず、エアポケットのような隙が生まれたんだけど、あそこを決めていれば。
ボール2個分、いや1個分でもズレていたら、威力とスピードがあったシュートなんで、GKの脇を通り過ぎていただろうに。


もっと惜しいのが口木未来。
放ったシュート3本はどれも、ボール1個分、枠を外れたもの。

めぐみのゴールで追いついたことで、後半20分くらいまではアルビレディースが完全にゲームを支配。
向こうが徐々に脚が止まりだした、動きが鈍くなりだしたことも加わって、面白いようにアルビのパスが廻り、ドリブル突破が図れる。
そして、ライがフィニッシュワークに取り掛かるんだけど、残念なことに、それが枠に飛ばない。
あと、ほんのちょっとなんだけど、その〝ちょっと〟が。


サッカーの試合後によく、“あそこで決めていたら”“決めるべきときに決めないと”という定型句が聞かれるものだけど、[アルビL×マリーゼ]は、新潟側の視点に立てば、正にそういう常套句が当てはまる内容だったと思う。
「たら・れば」の試合だったわけだ。

そういえば、UEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2レグで、チェルシーのヒディンク監督は、ロスタイム云々や主審の〝誤審〟を責めるより前に、自チームの選手たちが、追加点を入れられるチャンスを悉く逸したことが敗因であると分析していた。
アルビレディースの敗因も、突き詰めていけば、そうなんだと思う。


それにしても「決めるべきときに決める」というのは、サッカーという競技が未来永劫、付き合っていかなくてはいけないテーゼなんじゃないか。
昔から「決めるべき~」という台詞をどれほど耳にし、口にしてきたことか。
決定力不足の日本でさえそうなのに、欧州でもそうだもの。

でも、「決めるべき~」が解消されたら、サッカーの試合のスコアは[7-9]だとか[12-9]だとか、そういうのばっかりになってしまうんだろうな。

そして「決めるべきときに決められない」というのがサッカーに常につきまとうからこそ、フットボールは奥深く、それがまた醍醐味なのだと思う。
決めるべきにゴールネットを揺らせないからこそ、点が入ったときの興奮は、なんとも言えないんだと思う。


新潟レディースが、決めるべきときに決められなかったことは事実だけど、攻撃の組み立て方は、今シーズン一番の出来!
観戦できなかったジェフUレディース戦を除けば、最高に機能していた。
興奮度はベレーザ戦に軍配上がるけど、機能美でいえば、マリーゼ戦が上。
練度が高まっているのを実感させられた。
だから、2点ビハインドから追いつけたんだ!!

今季の初得点は、めぐみの突破を止められず、INACの選手が思わず倒してしまったことで獲得したPKから。
2得点目は、セットプレーから。
3得点目は、流れの中から。
そして、めぐみのゴールも流れの中から、その上、1試合2得点は今季初。

アルビレックス新潟レディースの攻撃力が、着実に一歩ずつ、向上しているのが見て取れる。
ここに、大石沙弥香と小原由梨愛が復帰したら!


ところで、2007シーズンの伊賀戦でサヨナラ負けをした次の試合、アルビレックスレディースの選手たちのメンタルが心配だったんだけど、それは杞憂だった。
攻撃力自慢のINACレオネッサを完封することに成功。
但し無得点でもあったんだけど、結果、勝ち点1を得たことで自動残留への道がまた広がったんだ。

17日の岡山湯郷戦も、あのときのINAC戦のように、強い気持ちで対抗して、2勝目を奪ってもらいたい。
岡本真夜のミリオンセラー曲じゃないけど、泣いた分だけ、また強くなれると思うぞ。


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