小松市滝ケ原を訪ねるとムカシヤンマが羽化していた。


ムカシヤンマ
ムカシヤンマはヤンマとサナエの中間くらいのトンボで、ムカシヤンマ科に分類されており、能美では初夏を告げるトンボである。
道路に止まったり、笹の葉で休んだり木の幹や電柱に止まったりする。


休みながら獲物を待つムカシヤンマ
ヤンマのように飛び回らず、どちらかといえば獲物が来るのを待つトンボである。
水が湧き出るビオトープでは、シオヤトンボ、ハラビロトンボなどが羽化していた。


シオヤトンボ



ハラビロトンボ、下1枚がメス
沢近くではニホンカワトンボが大量発生し、体や翅の色の異なる個体が多くみられた。




翅、体の色、大きさなど、変異の多いニホンカワトンボ
那谷寺裏の池にはクロスジギンヤンマが周回していたが動きが早く鮮明な写真は撮れなかった。

クロスジギンヤンマ
山道を歩いていると、突然頭上から羽ばたきの音が聞こえ、何かが地上に落ちた。一瞬何であるか判断できない異様な生き物に見えた。

重なり合うダビドサナエ
よく見ると3匹のトンボが重なり合っていた。肩の紋、雌らしい個体の腹部の模様などからダビドサナエらしいと分かった。それでも奇妙である。写真中央のオスが、すでに他のオスと結合しているペアのメスに襲いかかり、どうもオスとの結合を離させようとしているらしい。


ペアの結合を解こうとする侵入オス
3匹はそのままの体勢で暴れまわっていたが、そのうちペアのオスとメスの体勢が直線的になった。

少し分離し始めたペア
ペアの分離に成功したのかもしれない。次の瞬間、侵入オス、メス、ペアのオスの順に解れすべて飛び去った。私は何か異様なものを見たような、また、トンボの世界の生への執念を見た気がしてしばらく我を忘れていた。
さらにタケノコ山付近の池に寄ってみると、例年だと6月頃に見られるヨツボシトンボがもう羽化していて驚いた。


5月半ばに羽化したヨツボシトンボ
今年の晩春、初夏は異常に暖かい日が多いのも一因かもしれない。