南国生まれの私がチョウに興味を持ったのは、小学4年の時、イシガケチョウに出会ったのがきっかけであった。翅の模様が世界地図に似ていると感じ、何故か夢中になって追い掛け回したものであった。その後、市の天然記念物に指定されたミカドアゲハに熱を上げた。1昨年5月、小学生当時追いかけた場所に近い所で、ミカドアゲハが元気に命をつないでいるのを発見し大いに感動した。ミカドアゲハは1994年切手の図案に採用されている。
栴檀の花とミカドアゲハ
1956年、オオムラサキが切手の図案に初めて取り上げられたが、私の場所では見ることは叶わず、ずっと羨望の気持ちを持ってきた。退職を機に、山梨県北杜市、甲斐市に出かけて飼育されているのを見たが満足できず、甲斐市の里山を探索し、自然に生息しているところを見つけ大いに満足したが、石川県では見ることができなかった。
甲斐市のオオムラサキ
3年前、石川県内で偶然にオオムラサキを発見した。たった1頭であったが興奮した。昨年も発生していることを確認した。今月1日は、朝から梅雨の合間の夏の太陽が照りつける日であった。オオムラサキのオスが羽化するには絶好の天気だと思い、今年も同じ場所に出かけてみた。いた!! 今年も一昨年、去年と同じ場所にいた。
石川のオオムラサキ
オスは、建物や道路の擁壁などで、口吻を伸ばしてミネラルを吸っているものと推測している。メスが出てくる前に十分に成熟するためであろうか。
オオムラサキ オス
私自身は、石川では未だメスの確認ができていない。
甲斐市のオオムラサキ メス
4,5日したらまた出かけ、メスの羽化を確かめたいと思っている。3年連続で観察できたことは、自然界で命がつながっている証拠だと信じている。
付近では、ヒオドシチョウ、ミドリヒョウモン、サカハチチョウ、クロヒカゲ、アカタテハなどが確認された。
ヒオドシチョウ
ミドリヒョウモン
サカハチチョウ 夏型メス
(後翅の橙色の模様から推測)
クロヒカゲ
アカタテハ
木立の上には、イカルが鳴き、また、おいでと言ってくれたような気がした。
木立のイカル
オオムラサキの場所より、足を伸ばして少し山に登ってみた。6月に田で羽化したアキアカネ(6/16)が、枝に止まって休んでいた。
山のアキアカネ
数年前、多くのアサギマダラを見た場所に行ってみたが、全く収穫は無く、アナグマがのんびりと道を横切っただけであったが、
アナグマ
道端には、ササユリやヤマボウシが咲いていて心が和んだ。
ササユリ
ヤマボウシ
石川では早春には切手に取り上げられたギフチョウ(3/28)が見られ、秋には、アサギマダラが見られる。
人々に親しまれるチョウが見られる自然豊かな所だと改めて認識した。大事にしなければならない。