石川県には、4つの大きな潟がある。羽咋市の邑知潟、かほく市・金沢市の河北潟、小松市の木場潟、加賀市の柴山潟である。いずれも田畑の造成を目的に湿地を埋め立て、開発した時に現在の規模となったそうで、昔に比べ、水面はずいぶん少なくなっているようだが、いずれも水鳥の格好の渡来地となっている。邑知潟では、コハクチョウとヒシクイ、河北潟では、干拓地が畑になっているところも多く、猛禽類、草原、田の小鳥などが多く見られる。木場潟は、カヌーの公式練習場となっており、トリの種類は減っているように感じるが、オナガガモ、マガモなど、多くのカモ類や、ケリ、タゲリなどが飛来する。柴山潟は、温泉に近く、人の生活に近い環境であるが、干拓地のほとんどが水田で、コハクチョウが多く渡来する。水面は広く、ヨシガモ、ホオジロガモなど、多くのカモ達も渡来する。私は、季節に応じて、それぞれの潟で観察する頻度を変えている。
なお、これら大型のカモ類の多くは、加賀市の鴨池を塒とする。鴨池観察館の情報によると、現在、トモエガモ約7,000羽、マガン3,500羽とのことである。
さて、20日に撮影した動橋付近でのマガンをアップしたが、この場所は、コハクチョウがよく餌を摂りに来る場所である。コハクチョウの様子もアップする。
コハクチョウとマガン
マガンの上を飛ぶコハクチョウ
白山を背に飛ぶコハクチョウ
白山周辺は、晴天が続くと、霞がかかりやすい。明日は、多分だめだろうなと思いながら帰った。
21日朝は、やや早く起き、夜明けとともに、散歩に出かけた。用水路の上の水蒸気が霧のように白くなって、冷え込みの厳しさが感じられた。
用水から霧がかかった朝
白山を見ると、墨絵のように見えた。
早朝の白山遠景
モズは、薄明りの中、木の枝で未だまどろみ、セグロセキレイやツグミは活動を始めていた。
夜明けにまどろむモズ
活動を始めたツグミ
霧氷のある厳寒の中
活動を始めたセグロセキレイ
散歩中に、朝日が昇り始めたので写真を撮った。
日の出
田には氷が張り、道端の草や木に、針状の霧氷がついて寒々と凍てついていた。
凍りついた田
針状に霧氷のついた木や枯草
予想に反して、素晴らしい天気であったので、午後に柴山潟付近に行ってみた。道路脇の木には、スズメが鈴なりになって寒さに耐えていた。
密集して活動するスズメ
昨日、コハクチョウがマガンと共にいた場所に行くと、マガンは全く見当たらず、コハクチョウのみがいた。白山を背にコハクチョウの写真を撮った。
新幹線建設現場周辺で
活動するコハクチョウ
付近で、チョウゲンボウを見つけた。白山を背にアップしたが、しすぎたかもしれない。
電線に止まるチョウゲンボウ
アップした白山を背にチョウゲンボウ
昨日と日と今日の違いに驚きながらも、柴山潟にヨシガモがいるのを見た後、木場潟に向かった。
柴山潟のヨシガモ
途中、小松市矢田野付近でコハクチョウを見つけた。
矢田野のコハクチョウ
木場潟に着いた。
木場潟
珍しいカモは見つけられなかったが、ミコアイサを見つけた。
木場潟のミコアイサ
夕方近くになったので、白山の夕景を撮ろうと決めた。建設中の新幹線線路に沈む夕日と共に、赤く染まっていく白山を撮影した。
赤く染まり始めた白山
北陸新幹線高架に沈みゆく夕日
赤みが増した白山
鉄塔の間に沈む夕日
赤紫色の白山
半分近く沈んだ夕日
赤く染まった白山
Kotsunagiさんから、深田久弥の文章「夕方、日本海に沈む太陽の余映を受けて、白山が薔薇色に染まるひと時は、美しい物の究極であった。みるみるうちに、薄鼠に暮れて行くまでの、暫くの間の微妙な色彩の推移は、この世のものとは思われなかった。(日本百名山、白山)」に関するコメントを頂いたので、添うべく、夕暮れが深まる写真を追加した。
夕暮れが迫り
墨絵のように変化していく白山
夕暮れの薄明りの中の白山
今日もまた、野山を歩いて一日が終わったが、それなりの満足感が得られた。