もう2月になってしまった。1月11日にはナベヅル・コハクチョウとして記事を書いたが、今日はコハクチョウ・ナベヅルとして書いてみようと思う。
コハクチョウは10月から3月にかけて石川県全域に多数が渡来して越冬する。
田で餌を摂るコハクチョウ
渡来当初は純白であった羽毛は、田で生活する間にだんだん泥に汚れることも多い。それでも大きな白い体で悠然と他の水溜まりや池で泳いでいる姿は美しいものである。
水の張られた田で寛ぐコハクチョウ
柴山潟周辺では白山を背に、河北潟周辺では立山や白馬を背景とする飛ぶ姿が特に美しい。
悠然と飛ぶコハクチョウ
コハクチョウの周りには、その大きな体に隠れるように身を守る相対的に小さな鳥が集まることがある。田ではマガンなどと一緒に餌を摂ることも多い。
マガンと一緒に餌を摂るコハクチョウ
池などではトモエガモなどの小さなカモ類が良く集まる。また、コハクチョウの移動に紛れて渡来する鳥もいる。サカツラガンについては1月14日に報告した。シジュウカラガンやハクガンなどが混ざることもある。
29日には柴山潟干拓地でマガンの群れを久しぶりに見つけた。最初はコハクチョウと別々の所に居たが、その後水を張った田に一緒に入った。石川では野鳥に給餌しないので、いい餌場は多くの鳥が共有することも多く見られる。マガンだけでなくヒシクイも仲間に入っていた(見出し写真、次回報告)。
水を張った田では、コハクチョウの羽毛が風で畔に打ち寄せられており、石川に滞在中も換羽していることが分かる。
田で餌を摂ったり
寛いだりするコハクチョウ
ナベヅルは石川にはあまり多くの数が渡来していなかったが、今年は22羽が渡来した(1月11日)。私以外にもナベヅルを観察された方もいて22羽という数に越冬の可能性を期待した。
柴山潟に渡来した22羽のナベヅル
29日に柴山潟干拓地でマガンを見ようとした時、遠くの空にマガンとは異なる飛び方をする首の長い黒い鳥影が見えた。数は20羽程である。今までの情報が頭に入っていたためかナベヅルだと直感した。マガンをそっちのけにして柴山潟の土手に駆け上って鳥影を追い、遠景ながらやっと撮影できた。
雪山を背景に飛ぶナベヅルの群れ
飛ぶナベヅルの群れ
数は20羽、前回より2羽減っていた。前回降り立った場所での観察では幼鳥を半分くらい含む5~6家族のグループであると思われた。
田に降り立ったナベヅル
今回2羽減ったが、一つがいが群れを離脱したか、もしかして事故があったかは定かではないが石川での越冬が確認されたと思っている。今後、毎年の飛来を期待したい。