里では確実に秋が深まっている。昨日散歩に出かけると、空には、名月の名残が浮かんでいた。
名月の名残の下弦の月
突然羽ばたきの音がして、隣家の生垣から、なにか鳥が地面に落ちたが、咄嗟には何であるか分からなかった。鳥は飛べないようで、羽をばたつかせながら、側溝の中を慌てて走って逃げて行く。側溝に蓋がある所に入ったが、その前には出なかった。この中に潜んだに違いないと、フラッシュをONにし、側溝の中を適当に撮ってみるとコガモであった。
側溝に逃げ込んだコガモ
怪我でもしているのではと心配になったが、それ以上は何もできなかった。無事を祈りたい。
手取川近くでは、チョウゲンボウが風に乗って飛んでいた。
2羽で飛びくらべをするチョウゲンボウ
晩稲の稲以外は刈り取りの終わった田の畔には、コスモスが、写真では判別できないが、霞んだ白山を背景に咲いていた。
田周辺に咲くコスモス
ふと、蒸し焼きのようなにおいを感じた。見回すと、田から煙が出ており、もみ殻を焼いていた。
火山のようにくすぶりながら燃えるもみ殻
イネはシリカを吸収し、もみ殻には多くのシリカが含まれている。もみ殻にどうやって火をつけるのかは知らないが、一旦火が付けば、シリカが融けるくらいの高温になるので、溶岩のように炎を上げずにじわじわと燃えて行くのであろう。燃えカスは白く、シリカそのもののようである。
午後にかけて山里の方に出かけてみた。ソバ畑があった。みずみずしい緑と、満開の花の白が対比が鮮やかである。
ソバの花
花には、キアゲハ、ツマグロヒョウモン、ミドリヒョウモンなどが集まっていた。
キアゲハ
ツマグロヒョウモン
ミドリヒョウモン
近くの林縁にはヒガンバナが凛と立ち、小さいが鮮やかな森を作っていた。
ヒガンバナ
少し奥に車を進めると、フジバカマ畑があり、おびただしい数のアサギマダラが集まっていた。
フジバカマに集まるアサギマダラ
地元の子供達がしたであろう、マーキングが見られた。
マーキングされたアサギマダラ
フジバカマには、ウラギンヒョウモン、メスグロヒョウモンが見られた。
ウラギンヒョウモン
メスグロヒョウモン
以前、ミドリヒョウモンとメスグロヒョウモンのオスが、一緒にミネラルを摂っていることを見たことがある。
ミドリヒョウモンとメスグロヒョウモン(オス)
個体数が少ないので断定的には言えないが、ミドリヒョウモンのメスはソバを好み、メスグロヒョウモンのメスはフジバカマを好むのかもしれない。オス、メスの挙動の違いに興味が持たれる。
帰りは山道を超えてみた。湧き水近くでは、オオルリボシヤンマが産卵し、
産卵中のオオルリボシヤンマ
薄暗いせせらぎで、大きさ、肩の条からミルンヤンマと思われるトンボを見つけたが、結論は出せなかった。
ミルンヤンマ(?)
山道のアサギマダラは、ヒヨドリバナなどを、一匹で悠々と訪れていた。
山道のアサギマダラ
人工的な環境より、自然が似合うチョウである。