よく聞くのは、クリスティアン・ツィメルマンの録音でしょうか。ツィメルマンの演奏は、ホロヴィッツも買っていたようです。しかし、会っても良いが髭が嫌だったとのことで、結局面会はしなかったようです。オーケストラを結構アレンジしているようです。ピアノは大変クリアですが、編集の力もあるのかもしれません。一度、東京芸術劇場かどこかでショパンのピアノソナタ3番を聞きましたが、あまり印象的ではないです。
同じ芸術劇場で、pf:ゲオルギス・オソーキンス、清水雄太指揮のピアノ協奏曲第1番が大変良かったです。良い演奏を聞くと、心から嬉しくなります。ピアノはファツィオリだったのも印象的でした。初めて聞きました。
ゲンリヒ・ネイガウスの録音も聞きます。精神性の高い演奏をする人ですが、手を痛めていたと聞きます。古い録音にはありがちですが、今のピアニストに比べて雑なところがあります。しかし、葬送ソナタは素晴らしいです。葬送行進曲は生で聞いていたら一生の宝になったでしょう。あまりに素晴らしすぎて、4楽章が始まる前に観客の拍手が入っています。3番のソナタも良いですが、4楽章の特に後半が雑です。しかし、そういうのは全く気になりません。むしろ、最近のグロテスクなテクニックの吐き気のするような、指捌きだけすごいような演奏より好きです。しかし、ピアノ協奏曲第1番は、雑さが目立ってしまっているように感じます。一番良いコンディションではなかったのだと思います。
イグナツ・フリードマンのマズルカなどもとても好きです。ああいう表現はどのように演奏すれば出てくるのでしょうか。フリードマンの時代は、自分で好きなように楽譜をアレンジしていましたので、ピアニストのセンスも現在よりも顕著に表れていました。好き嫌いも分かれるかもしれません。コルトーの演奏はちょっと自分とは違うかなと思いました。ヨーゼフ・ホフマンはの方が好きかもしれません。ゴドフスキーの録音は、保存状態のせいなのか、ゴドフスキー自体が録音を重要視してなかったためなのか、あまり良い演奏とは感じませんでした。