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映画感想文 Vol.18 「T.R.Y.」

2005年07月15日 | 映画感想文
T.R.Y. (2003) 
★★★★★★★☆☆☆



前々回に紹介した「約三十の嘘」の感想最後に詐欺師ものはこっちの方がおもしろい!と言いましたが、今回はその作品の感想を言っていきたいと思います。

この映画は、日中韓合作の織田裕二主演作です。

僕もこの映画を見終わった後、爽快な気分になれました。伊坂幸太郎の小説を読み終わった感じに似ています。

ストーリーは、20世紀初頭の上海を舞台にした話で、天才詐欺師の主人公が、革命軍と共に、日本軍を騙し、革命に必要な武器を調達するという話なんですが、観ていくうちに騙し騙されの繰り返しで、騙し合いが実におもしろい!

人間って人を騙すのって好きじゃないですか。嘘もその一つで、そこをうまく使った話だなと関心しました。ネタバレするとおもしろくなくなると思うんで深くは言えないですが、騙し合いが何度もあって、「さすが!」の一言に尽きると思います。

しかも主人公は、自分は所詮三流詐欺師だといってる所が、好きですね。
多分一流だと言ってたら好きになれなかったと思います。

それに、ハリウッドの映画とかで、戦争映画だと絶対にアメリカが勝利した戦争を映画化して、(「プライベート・ライアン」、「パールハーバー」など)いかにもアメリカは英雄だという風に描いているんですが、この映画は日本を敵として描いているのがいいですね。

日本軍を騙すっていう、おそらくアメリカ人ならそんな映画作らないです。
自分の国が騙される映画だと誰も見ないと思うからです。

(『TAXI』ファンの方すいません)フランス映画の「TAXI」シリーズも他国の車と争って結局、自国が勝って〝俺らはすごいんだ!〟的な映画なんで、やっぱ日本は、敵としても味方としても作品のためなら問わず描けるというのは立派な所だと思います。

とにかく、構成もうまく、リズムもトントントンとうまく進んでいくし、〝映画〟として充分に出来上がってるなぁと。

あと、最後の最後に大爆発シーンがあるんですが、これは映画館で観たかったなぁというのが本心でした。

まぁこれは蛇足的な事なんですが、織田裕二主演映画って「踊る大捜査線」以降、なんか名セリフが重宝されている節があって、以降の「ホワイトアウト」やこの「T.R.Y.」でも意識しすぎですね。
絶対にCMで名セリフらしきものを入れているんですけど、「T.R.Y.」では「ヤバくなったら、さっさと逃げる。それだけ」って言ってるんですね。でも正直、このセリフは冒頭に出てくるし、名セリフというよりは、詐欺師のポリシーみたいなもので、作中で何度も使われているんで、どうかなと。でもこのセリフはこの映画のキーポイントであるという事は間違いないので、やっぱ入れてて正解なのかな(どないやねん!)

まぁとにかくこれは、スッキリしたい人にお勧めです。
★は7つです。平均点以上は充分取れてると思います。

失敗のない作品という感じがしましたね。

今なら買い得キャンペーンかなんかで、2000円くらいで買えるらしいです。
ちょっと買うか迷ってます。

 

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