映画感想文 Vol.1 「スチームボーイ」

スチームボーイ （2004）
★★★★★★☆☆☆☆


もうだいぶ前になるんですが、これは映画館で絶対に観たい！と思って、映画館に足を運びました。でも、客が10人もいなかったので、えぇ…！？ってなりましたけど、まぁ夜の部だったんで、まぁそんなもんかって感じで、観ましたけども。

さて、本題に入りますけど、これはねぇ、ＣＭやワイドショーなどで、ハードルを上げ過ぎたからやばいんちゃうの？って思いましたけど、映像はとにかくすごいです！（製作期間を）９年かけただけあって、隅々から目の届かない所まで緻密に作り上げていました。目玉であるスチーム。まぁ煙ですけど、煙も実写に近いくらいにリアルに表現されていました。

１１年間煙だけを書き続けたスタッフがいると言ってましたが、わかりましたね。どうやら煙にまかれただけの人生ではなかったようです（笑）。いや、映像はおそらくジブリに勝ったんじゃないかな？とにかく口の動きや仕草とかまでリアルに描いていて、コマ数も絶対に多いです。色彩も良くて、始まってすぐに映画に入り込みました。すごいです。これは映画館でないと味わえないと思います。
　
しかしながら、ストーリーはというと、そんなにすごいか？ってなりました。映像美が勝ちすぎて、ストーリーが埋もれたというか、ストーリーは別に悪くはないと思うんですけど、映像美が上に行き過ぎて、映像美目線で観てしまうから、どうしてもストーリーが下になってしまうんですよ。やはりこのバランスは難しくて、永遠の課題だとは思うんですけど、映像に凝ったのなら、ストーリーももっと凝ってほしかったですねぇ。内容は薄いと思いますね。

一言で言えば、親子間の価値観の相違。科学とは何か？科学とはどうあるべきか？というテーマで描かれています。大友監督としてはわかりやすいストーリー構成だったと思います。もうすでに、続編の制作が決まっているそうですが、続編ありきで今回を作ったのなら、まぁわかるんですよ。一作目はスチーム技術というか、まぁスチームボーイとはこういうものだっていうプレゼンみたいなもんなんですよ。
　
起承転結で言えば、起なんですよ。で、２作目でストーリー重視の起承転結の承、転をやって、3作目で結をやる。ただ、今作一本で完結として作ったのなら、起だけで、話は一応完結させてはいるんですけど、そんなにすごいストーリーかぁ？って首を傾げざるをえないです。いや、悪くはないですよ。ただ、サブタイトルに“アドベンチャーストーリー・オブ・スチームボーイ”ってなってんのに、アドベンチャーらしいアドベンチャーはなかったです。距離にして数キロですよ（苦笑）。だから、これは続編があるなし、又は観る観ないでこの一作目の評価は変わってきますね。

まぁでも、映像美は素晴らしいものがありましたし、声優も俳優を起用してたんですけど、予想よりはよかったんで、6点はいきますね。まぁ後悔はしないですから観ても損はないと思います。

レンタルでも充分楽しめると思います。