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映画感想文 Vol.30 「機動戦士ZガンダムⅡ 恋人たち」

2005年11月15日 | 映画感想文
機動戦士ZガンダムⅡ 恋人たち
★★★★★★☆☆☆☆



A New Translation(新訳)のZガンダム・第二部です。

前作が、序章的位置付けの作品であるならば、今回は、ようやく物語が動き出した、と言えます。と、言っても、やはりテレビシリーズ50話を3本にまとめるというのは、難しい話なわけで、違和感を抱くシーンも多々ありました。

ガンダムシリーズを観た事がある人ならば、なんとか頭の中で補完できるわけですが、ファーストガンダムはおろか、Zガンダムすら初めて観る人にとっては、ストーリー運びの速さと、テンポで、一度観ただけでは理解できないんじゃないか、と思っていました。

まだ、第一部は、初見の人でも「まぁ、わかるかな」っていう説明を入れてたんですけど、今回は、初めての人が観たら「これ理解できるかな?」とか、「この人、いきなり出てきたけど、わかってるかな?」って疑問符を浮かべながら観ていました。それくらいに、キャラの入れ替えが早く、しかも初登場のキャラも何の前触れもなく出てきては喋るので、「え? こいつ誰?」とか何シーンもあると思います。

僕が考えるに、この映画三部作は、テレビシリーズを観ている前提でないと100%楽しめないと思ってます。それに加え、第一部も観てない人がこれを観ると、ちんぷんかんぷんだと思います。というか、そんな状態で観ても充分楽しめないと思います。損するだけなんで、予習してから観に行く事が好ましいです。

第二部というのは、本当に評価が難しい。
というのは、第三部を観て、初めて「あ、ここで第二部で引いてた伏線が繋がるのかぁ」とか、第二部で「このキャラは、出した意味あったのか?」と言っても、第三部で「あ、だから、第二部でこのキャラを出してたのかぁ」って繋がる場合もあるので、正当な評価はできないんです。だから、今回の感想も飽くまで、第一部、第二部を観ての段階でのものなので、第三部全体を通して変わるからもしれません。

正直な話を言うと、今回のストーリーは、あるようでない。テーマが「恋愛」なんですけど、尺的な問題で、出会い⇒恋愛へが、いきなり過ぎるんです。しかも、女の方からすぐにキスをせがむというシーンが続くので、「おいおい(苦笑)」となってしまいます。

カップル同士の恋愛を描くシーンが短すぎて、それが恋愛なのかどうかも怪しくなってしまっているわけです。出てくる女が全員キス魔だ、と言われても頷いてしまうような演出をしてしまってるのはちょっと残念ですね。これは、富野監督の恋愛観から抽出されたんでしょうけど、共感しうるものではなかったです。

全体を通して、これは第一部と第三部を繋ぐだけの話になってしまっているので、三本揃った状態で、続けざまに観る必要があるな、と思いました。第二部単体としては、存在しえない作品です。

ストーリーのクオリティの面で言うと、あらゆる要素を詰め込み過ぎて、広く浅くなってしまってるんです。記憶に残るシーンがあるか、と聞かれると、第一部よりも薄いと感じました。

なので、さきほども触れましたが、第三部が、どう出るかに全てがかかってます。
そういう意味では、期待させるものにはなってました。楽しみと期待が膨らみます。


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