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『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』 鑑賞後雑記【ネタバレ含む】

2018年07月01日 | 映画感想文
スターウォーズシリーズの中でも一番制作費がかかったという今作。しかもスターウォーズシリーズの中でも一番の興収の少なさだそうで、次のスピンオフシリーズは一旦凍結されたそうですね。

スピンオフとして、どうしても超えられない壁が“辻褄合わせ”です。

「ローグ・ワン」の時もそうでしたが、やはり新キャラを登場させるのはスピンオフとして、新しい映画の要素として必要ですが、エピソード4以前の物語で、エピソード4以降のナンバリングタイトルに登場していないキャラは、結局のところ何らかの形で“消さなければいけない”ということです。

これはネタバレに触れるのかどうか微妙ですが、SWファンならご存知の主要キャラであるハン・ソロとチューバッカ、ランド・カルジアンはエピソード5以降で大活躍するので、生存確定なわけです。

一方今回登場の初の女性ドロイドL3-37やハン・ソロの恋人キーラ、今作のキーマン・ベケット、他今作の主人公側の登場キャラはどうしてもこの映画内で消さなければ辻褄が合わなくなるので、どこかで死んじゃうんだろうなと思いながら観てしまうことになり、それはファンゆえに悲しいことでもあります。スターウォーズの世界は無数の惑星が舞台になっているので、せめて別の惑星で存命という未来を与えても良かったのになと、「ローグ・ワン」の頃から感じていました。

さて本筋ですが、
今作をわかりやすくまとめると、ハン・ソロがどうして裏の運び屋になったのかのきっかけを描くストーリーで、ファンが知らなかったハン・ソロがパイロットになった理由、ハン・ソロの命名の秘密、チューバッカやランドとの出会い、ハン・ソロの代名詞というべき愛用の銃やミレニアム・ファルコンの入手方法等々、エピソード4までの補完要素が満載のまさにスピンオフといった作品です。

ストーリー的にも複雑ではなく、一つのミッションをクリアしたら次のミッション、それをクリアしたらさらに難解なミッションという形で進んでいくので、ルーカスの脚本の作り方に似ているなといった印象。新3部作とローグ・ワンはやっぱそれぞれ担当した監督の色、クセが強く、特に「エピソード8/最後のジェダイ」はファンの間でも賛否を巻き起こすくらいのクセっぷりで、今作を監督したロン・ハワードに撮ってほしかったなと思いました。

メカやトルーパーもローグ・ワンのように旧3部作に影響を与えない程度のデザインに抑え、宇宙空間でモンスターに追われる展開はファンなら嬉しいデジャブだと思います。

ハン・ソロやランド役の俳優も、最初は似てるかなぁと思いながら観ていましたが、終盤になるとニヤッと微笑む姿が元の俳優とどことなく重なる瞬間があり、なるほどとなりました。「X-MEN」シリーズのリブートみたいに、この「ハン・ソロ」シリーズで3部作を作ってほしいくらい、最後の方は彼らの次の物語を期待したくなりましたね。


マイナスポイントは、全体の7割くらい(映像の明るさが)暗い、もしくは薄暗いシーンが続くので、もっと明るいロケーションの方が観やすかったなというところでしょうか。薄暗い×スピーディーなシーンが連続すると展開が目まぐるしく、一瞬一瞬目が離せないので疲れました。

あと、今作ヒロインのキーラのキャラですよね。とある理由で離れ離れになって再会してからの彼女のキャラ変についていけませんでした。もう昔には戻れないという葛藤を描きたいのは伝わるのですが、最後その未来を選ぶのかと少し寂しくなりましたし、ハン・ソロもあれだけキーラに会うことに全てを賭けて生きてきた割に最後は意外とあっさりで、ここにも辻褄合わせの枷がよぎって残念でした。

でも気になったのはそこくらいなので、スターウォーズの世界観を壊さず、与えられた枠の中で監督の色もちゃんと出ていた作品だと好印象を持ちましたね。スピンオフではなぜか使えないオープニングロールの代わりに、ブルーフォントの「遠い昔。遥か彼方の銀河系で」を使って、その後に物語の前説を続けていく演出は、その手があったか!とただただ感心しました。さらに今回も「ローグ・ワン」のようにファンを喜ばせるサプライズが1つ用意されていますので、そちらもお楽しみに。

「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」TVスポット30秒 ストーリー篇

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