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映画感想文 Vol.43 「ALWAYS 三丁目の夕日」

2006年06月15日 | 映画感想文
ALWAYS 三丁目の夕日 (2005)
★★★★★★★★★★



久々に号泣してしまいました。すごくいい映画です。
なので、久々に満点が出ました。

まず、世界観に脱帽。日本のCGはやっぱハリウッドに対抗するんじゃなくて、ああいう使い方をしていくべきだと思いましたね。セットとCGを上手く組み合わせる事で、昭和初期の世界を再現している。僕は、その当時まだ生まれてませんけど、あの時代生きてる人は懐かしいと思えるんじゃないでしょうか。

あと、人情がすごく暖かくて、今の日本にない事が悔しかったですね。
時代は、情報化社会になり、パソコンもケータイもテレビもゲームも、何もかも進化してきてるけど、人間付き合いはどんどん退化していってる気がしますね。

三丁目の夕日で描かれていた近所付き合いは、今はもう消えてしまった、セキュリティーがなんだ、とか個人情報が、プライバシーがって、そういう事に用心しないと生きていけない世界になったので、個々に壁を作ってしまった。だから、あの三丁目の夕日の世界がフィクションになってしまってる事に悲しさを覚えましたね。それと同時に羨ましいっていう気持ちが芽生えました。

だから、あの時代に生きていた、生きた事のある大人たちが本当に羨ましい。あの時代に生きてたらもっとこの映画を懐かしむ事が出来ただろうし、共感できただろうって思う。

それでも、人間の繋がりが大切だよっていうメッセージが時代変わらずあるもので、むしろ今の日本だからこそ、〝人の繋がり〟をメッセージにした映画が存在できるんだと思いますね。あの時代の日常を映画にできるのはむしろ今しかない。

ストーリーというものは基本なくて、ほのぼのとした中でのアクシデントが次々に起こる。それがまた戦争が終了した後の世界だけに、起きる事が小さすぎて、それが逆に〝平和〟だなぁと実感させてくれる。

人間一人ひとりのキャラもいいし、子役の演技力は年々上がってきたなぁって思いました。鈴木モーターの息子がすごくいい演技しててよかったし、何と言っても掘北真希の演技力に脱帽です。彼女は作品ごとにがらっとキャラを変えられるのには本当に感心しました。彼女は大女優になる予感がします。

演出というか、感動シーンのプロットは王道路線で、どこかで見たような事をやっていたんですけど、僕は王道大好き人間なんで、「王道の何が悪い」と思いながらラスト涙が止まりませんでした。久々に声に出して泣きました。ただ、一番ラストの夕日を見ながらのセリフはあかんやろって思いましたけどね。

これはたしかに賞を取ってもおかしくないですね。
秀作なので、ぜひ!


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