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映画感想文 Vol.35 「アイランド」

2006年01月31日 | 映画感想文
※ネタバレを含むので、各々の判断で覗いてください。

アイランド (2005)
★★★★★★★☆☆☆



これは、ジョージルーカスのデビュー作「THX-1138」にすごく似てますね。原作なのでしょうか。でも、「THX-1138」よりわかり易く、面白さも上でした。

一言で言えば、THEハリウッド映画って感じですね。緊張と緩和の連続、爆発、ピンチ、そして、ラストバトル、ハッピーエンド。ハリウッド映画の要素を全て盛り込んで作っています。

これは、近未来に起こりそうなクローン問題を扱ったSFですね。

ストーリーはというと、
地下で生活させられている白服を着た人々は、ランダムでアイランドと呼ばれる楽園へ行くことができる、という情報を与えられている。しかし、それは嘘で、一部の裕福な人々は、自分のクローンを作り、重病になると彼らから内臓を移植してもらえる。つまり、アイランドへ行くという事は、そのオリジナルの人へ内臓を提供するというものだった。自分がクローンであると気づいた主人公リンカーンが、ヒロインと共に隔離された居住空間からの脱出を図る。

脱出後の逃走劇は迫力があって、ビルから落ちるシーンは、緊迫感が伝わってきます。本当に、「すべらない脚本」の教科書どおりに作ってる感じがします。たしかに、これやると滑らないわな、と。

でも、何点か気になる事があった。
まず、最初、リンカーンを列車駅まで案内してくれる人がいるんですけど、お金やらクレジットカードやら渡したりして、優しすぎやろ、と。この時点で、「このおっさん、裏切るか、殺されるかのどっちかやわ」と想像できます。後々、クレジットカードで、リンカーンの場所が特定できるので、そのために優しくさせたんでしょう。

あと、リンカーンのオリジナルの人(依頼人)と会うシーンでも、オリジナルの人は、新しい服を与えてやったり、腕輪を外してやったり、ここも優し過ぎるくせに、クローンの会社に「ここにいる」とバラす。これも、後で、腕輪を付け替えるシーンがあるので、そのために優しい設定にしたんかい、と。

とにかく不自然なんです。
ストーリーの持っていき方が、ストレートすぎる。
最後に追っ手だった黒人が、ヒロインを救うのも、唐突過ぎるんですよ。
多分、黒人を悪者のまま終わらせたらあかんと思ったんでしょう。

そういう穴をいくつか見つけてしまったので、ちょっと気になりましたけど、
でも、普通に観れる映画だと思います。

最後、またクローン製造工場へ戻るときは、「やっと脱出できてんから、もう戻らんでもええやんかぁ」と思いながら観てくらいで、結構ハマってたりもしたんで、面白い映画の部類だとは思います。

ただ、一番気になったのは、最後、クローンの人々が開放されてエンドクレジットなんですけど、僕は、その後を想像してしまうタイプなので、全然ハッピーエンドには思えませんでした。

あの後、彼らは社会に適応して生きていけるのだろうか? オリジナルがいるのに、どうやって共存していけるのか? など、不安要素が残ったので。開放=幸せではないでしょう。

まぁ、そこは、観た人によって感想は変わると思います。



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