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MARVEL「ヴェノム」鑑賞後雑記【ネタバレ含む】

2018年11月03日 | 映画感想文
ソニーピクチャーズが唯一マーベルから著作権を持っている「スパイダーマン」ですが、「アメイジング・スパイダーマン」が早すぎるリブートでコケてしまい、にっちもさっちもいかなくって、アベンジャーズにスパイダーマンを貸す代わりにスパイダーマン単独映画にもアベンジャーズ貸してっていうディズニーとウィンウィン契約を結んだ。それが、「スパイダーマン/ホームカミング」ですが、それもいずれは終わってしまう。終わってしまえばソニーのスパイダーマンでまたしばらく稼げないので、何とかせねばと思い立った策が、スピンオフシリーズです。

その第一弾として、人気の一番高いヴィラン「ヴェノム」を主人公に描いたスピンオフムービーで、今作はまさにヴェノム誕生の物語でした。

上映時間100分弱とポストクレジット(エンドロール後サービスシーン)で、短めだなと思っていましたが、1話という作り方では満足の出来でした。

まず、ヴェノムはなにかというと、シンビオートと呼ばれる地球外生命体で、人間を含む動物に寄生することで生き延びる生物です。言葉も生物に寄生することで脳内記憶とリンクするので、学習し、喋れます。

ジャーナリスト/新聞記者のブロックがヴェノムに寄生されるまでを丁寧に描き、ヴェノムが復活してからはジェットコースタームービーのごとくハイスピードで物語は進んでいきます。

ヴィランが主人公の映画って、DCコミックスの「スーサイド・スクワッド」はありましたが、ヴィラン単独の映画はおそらく今作が初じゃないかなぁと。「スパイダーマン/ホームカミング」は、正直、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)と時系列を共有しているからMCUファンも取り込んで大ヒットしましたが、「アメイジング・スパーダーマン」はコケて、スパイダーマンシリーズのヴィランの一人をスピンオフで作って正直集客あるのかなぁと危惧していたら劇場満席で、全米でも大ヒットらしいですね。やっぱりやってみないとわからないものですね。

それと、物語を描く上で、ヴィランを主人公にすると、正直ダークヒーローとなるわけですが、当然観客の共感を得ないと映画は成立しません。それは上手かった。最初は凶悪な生物に寄生された主人公に感情移入し、ヴェノムを敵視しながら見るのですが、途中から追われる身となることで、自然と主人公のブロックとヴィランは自身を守るという共通の目的ができるわけです。ブロックはヴェノムの力がないと生き残れないし、ヴェノムもブロックの体が一番適応していて住みやすい。共生時間が長いことやブロックの脳とリンクすることで、ヴィランであるヴェノムも徐々に人間味が出てくることで、観客も徐々にヴェノムを受け入れるんですね。ヴェノムがブロックの性格に共感したり、彼女にフラれたブロックを心配したりするくだりから、ブロックとヴェノムは2人で1人となってくる。

じゃあヴィランが主人公の映画のヴィランって誰だ?となるわけですが、それが一緒に地球にやってきたシンビオートの仲間ライオットです。原作を知っている方ならこの名前も有名ですね。なぜ敵対するかは映画を観ていただいて…ただやはり上映時間100分弱なので、敵対する理由はちょっと唐突で浅かったかなぁという印象です。まぁ、シンビオートは寄生した宿主によって悪人にも善人にもなるってことをこの一作目で描くことが次回作への伏線になるわけで、その構図をちゃんと描いたのは良かったですね。次回作はちゃんとあると思います。原作を知っている方なら「やっぱり来るか」と気づくようなシーンを入れていますのでご安心を。

今作のヴィラン・ライオットのスペック的にはヴェノムより上位互換な相手ですが、ブロックとの共生によるコンビネーションによって互角に渡り合うシーンを見ている頃にはもうヴェノムのことを好きになっているはずです。

主題歌のエミネム久々の新曲「VENOM」もヴェノムの映画の雰囲気にマッチしていてよかったです。

エンドロール最後のポストクレジットは、正直無知でごめんなさいでした。なんでこれを流したのか理解できません。あと、「スパイダーマン/ホームカミング」のトム・ホランドがカメオ出演する噂があったのですが、出てたかどうかさえわかりません。出ていたなら気づけませんでした。

[追記2018.11.5]
どうやらエンドロール後の映像は2019年公開のとある映画の先行映像公開ということでした。こちらはノーチェックでしたので、なるほど。


Eminem - Venom

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