噺のわかる人。since 2005

主に映画情報、時々ラルク&HYDE情報をお届けします。

映画感想文 Vol.38 「ピンポン」

2006年04月11日 | 映画感想文
ピンポン (2002) 
★★★★★★★★☆☆



ご存知、クドカンこと、宮藤勘九郎脚本、松本大洋原作の「ピンポン」ですけど、最近、クドカン作品も窪塚くんもスクリーンで久しく見なくなったので、早く最新作を見たい! という熱意を込めて、もう一度見ました。

やっぱ、これは何度見てもよいです! 実によいです。名作に認定してもいいですよ。同じクドカン脚本の「GO」よりも断然よいです! 


原作本を読んだ事あるんですけど、かなり忠実に再現できてるし、グレードを落としていない。だいたい、原作のある作品はほとんど原作に負けてしまうんですけど、映画脚本はイマイチのクドカンもこればかりはよくやった! と褒めたいくらい良いできだと思います。クドカン色もちゃんと残しつつ、キャラもちゃんと立ってると思います。(まぁそれは原作の力もあるけど)

驚ろくべき点は、原作のキャラが忠実に再現されてるところです。かなり似てて本当に初見の時は驚きました。

原作読んでて、まずこれは再現できねぇだろと思ってた矢先、スクリーンに原作に出ているキャラの実写がそこにいたんですからビックリしました。特に似てたのが、アクマとドラゴン。(改めてみてもそう思う)この二人は本当に瓜二つですから原作とぜひ見比べてください。

あと、この作品のもう一つの見所はCGです。でも、見た人は、どこにCG使われてた? って思うかもしれないけど、まさにそこがポイント!

「ピンポン」のCGは、実写とCG見比べてわからないようにするのが技なんです。どこかというと、試合中のボール。

世界最速の球技だから素人に近い役者がプロ並みに打ち合うのは困難を極めます。もちろん練習して打ち合えるまで鍛えて実際映画の中でも打ってますが、CGも多様してます。細かいところから大舞台まで幅広いところまで使ってます。でも、おそらくどれが本物の玉でどれがCGかわからないと思います。僕も2度見ましたけど、全然わかりません。

メイキング見て、「あぁ~ここかぁ」と納得するほどです。現在、CGと言えば、SFとかアクションとかで、“魅せるCG”というのが主となってますが、「ピンポン」では“隠すCG”なんですよね。より実写に、より本物に近づけることに力を入れてます。そこがすごいですよね。これはCGのない時代には映像化無理だったと思います。

さて、散々ベタ褒めした後は、もちろんダメ出しです。さきほど、忠実に再現されててよいといいましたが、忠実すぎるところでちょっと……って感じにもなりました。

原作を先に読んだからかもしれませんが、原作を意識しすぎているような気がして、そこでちょっとポイント下げてるんじゃないかなと。もっと映画では、映画のオリジナリティも出してもよかったんじゃないかと思います。

しかし、そういうダメ出しポイントはあるものの、2度3度見ても飽きない内容だと思うし、それをカバーするほどの力が作品にあるから★は8つです!

DVD買っても損はしないでしょう。コレは。




最新の画像もっと見る