何度かここで書いていますが、蟷螂の親父もブラザーコーンさんと同じ、男性の乳がんにかかっています。
今から50年近く前、網膜剥離で入院した某J大学病院で、ある日、アンダーシャツに血がついていることに気づき、回診してきたドクターに話したら、女性化乳房であると軽く見られたことがありました。
用心深い親父は、退院後、かかりつけの新宿の東大卒の名医に相談したところ、がん研を紹介されて診察を受けましたが、異常なしと判定され、再度新宿の名医に相談したところ、やはり怪しいと言われ、次はがんセンターに行ってみるといいと指示されて診察を受けたところ、0期の乳がんであると診断されて即入院して手術で右乳房を摘出されました。
看護師さんに『10万人に1人の奇病であるから大切にされますよ~』と言われ、病院食も毎日鰻やステーキといった栄養のつくものが供されて、厚遇されていました。
見舞いに来た叔父が、女性に接しすぎるとかかるんじゃないかと茶化していましたが、当たらずといえども遠からずでしょう。
ただ、親父の乳がんの原因は、結核の病巣切除のため、右上葉を切除された際に受けた輸血によるC型肝炎です。
肝臓を悪くした患者が男性の乳がんになることは知られているので、親父の場合は当てはまります。
親父に付き添ってがんセンターへ行ったとき、診察室の前は全員女性。
目尻を釣り上げた女性のものすごい視線を浴びて、汗をかいたものです。
男性乳がんの権威と言われる『山本先生』にはずいぶんお世話になり、『家族性ということもあるから』と、蟷螂も胸を触診されました。
山本先生の指先は、異様にとがっていて、両手で軽く叩くように触ります。
ある部分でコリっとした部分に触れ、『これは乳せんです』と、にこりともせずにおっしゃいました。
男性乳がん(だんせいにゅうがん) | 希少がんセンター
親父の手術に立ち会いましたが、摘出された部分は13センチ四方くらいの四角い肉片で、中心部に乳頭が鎮座していました。
その後も何度か見舞いに行きましたが、脇の下のリンパ節も切除されていて、右手が上がらなくなっていたのか、壁に右手の指二本を当てて、じわじわと上に上げていくというリハビリをしていました。
親父亡きあと、いつも男性の乳がんというワードは頭にこびりついています。
幸い、肝数値は健常なので今のところ肝炎の心配はありません。
それでも数年前、左胸にしこりができた際、男性の乳がんも診てくれるというクリニックを発見し、駆け込んだことがありました。
その時はエコー検査の結果脂肪であると診断されましたが、用心はしています。
男性乳がんの会もあるようですが、あまり活発な活動はしていないようです。
気になるのは力士です。
胸が異常なまでに大きな力士を見ると、乳がんを心配してしまいます。
肥満もリスクの一つなので。
若いころは無茶をしていた親父の食生活は、中年以降は『身体にいい』と言って豆腐と合成酒のみでした。
その上、『ソーヤレシチン』を欠かさず飲んでいました。
ここら辺にも要因がありそうです。