買取詐欺

以前愚母のところへ電話があり、なんでも買い取りたいと言って上がり込み、金の宝飾品を買い取って言ったそうですが、明らかな押し買いです。その時はきつく言い聞かせたのですが、蟷螂の言うことを全く聞かないひとなので、未だに誰かに騙されているでしょう。なにしろ行きつけの新仲見世近くの洋服屋にお金を貸して踏み倒された実績がある人ですから。もっとも蟷螂の心臓手術の際には、ビタ一文出ませんでしたが。
最近は押し買いもおおっぴらになり始め、テレビ局とタイアップして、顔を出し始めました。美術品の買い取りです。
蟷螂は、美術品の買取値は売値の10分の1以下だと思っています。彼らはいわば現代の、メディアを巧みに利用した詐欺師なのです。3年ほど前、叔父の遺品整理に来た買取屋も同じでした。叔父は大量の絵をコレクションしていて、こちらもヤフオクで売るには手間がかかりそうなので、ネットでヒットしたところに来てもらいましたが、大量の絵画の代金は2万円でした。
あとで写真を元に調べると、著名作家の作品もあり、『やられた！』と思いました。もっとも買取屋を呼ぶ前に、叔父の姪の子供が散々荒らした後だったので、更に高価なものは彼らが持ち去っていたのでしょう。さらに遺品整理屋を頼んだら、30万円以上かかりました。一人暮らしの叔父でしたからマンションの部屋はゴミ屋敷、30万なら安かったかと思いましたが、祖母の白寿の品などもあったりして、今になってみるともう少し時間をかけて整理すればよかったと悔いが残ります。
いずれにしても書画骨董を集めるのは大切なお金をドブに捨てるようなもの、孫子の代まで残るものはお金か実物資産のゴールドでしょう。