蟷螂の独白

世に背を向けた蟷螂です。喜怒哀楽を綴って19年モットーは是々非々の団塊世代です。

イラつき

2019-12-09 02:05:00 | 文学
蟷螂は佐藤泰志のファンで、『君の鳥はうたえる』は何度も読み直しています。
何度も読み直しているうちに、大ファンになり、作品集まで手に入れました。
で、彼の作品は最近になって続々映画化されているので興味を持ち、『そこのみに光り輝く』や『オーバーフェンス』をスカパーで見ましたが、イマイチでした。それでも『そこのみに』の進水式のシーンは迫力満点で魅せました。『オーバーフェンス』はあんなとこでしょう的にそれなりに流してみることができました。
しかし!今日、録画しておいた「君の鳥はうたえる』を見たところ、
えーっ、酷すぎる!
冒頭では『チャーリーミンガス追悼コンサート』の看板の前でシズオと別れて欲しかった。これは佐藤泰志も絶対に譲れないシーンだと思いました。あのシーンが全てと言ってもいいほどその後のストーリーの展開に影響を与えるのです。
その上アパートがダサく綺麗すぎるし、待たせたサチコとなんでラインで連絡しなかった?一瞬書籍の時代か?と思いました。
セリフだって棒読みで酷すぎるし、夏なのに暑さが伝わって来ないしで、ただ3人の男女が戯れあって終わり。
えーっ、痴呆になった母殺しのシーンはカット?
アラの店は?店長ってあんなに穏やかだった?
ひょっとしたら三宅昌は原作を読んでないのかもしれない。いや、ザッと目を通しただけかも。
これは作家を冒涜している映画です。卓球場は中盤で出すんかい。
スマホは付け足しで、そういえばスマホの時代だったっけ的に挿入しています。あ〜、イラつく。途中から早送り再生です。リンチのシーンだって、あれって昼間だった?
全体的に緊迫感ゼロ。
映画の方が面白い小説もあれば、小説の方が面白い映画もあり、この場合は間違いなく後者です。
出演者も、やる気がなく、
『こんなとこでいいんじゃね』
というふうに見えました。
天下一品の駄作とはこのことでしよう。
早逝した原作者に口無し。
だからまだ蟷螂も死ねないのです。


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