■欧州宇宙機関[ESA]は13日、
無人探査機「ロゼッタ」から分離され、
世界で初めて彗星[すいせい]に着陸した着陸機「フィラエ」による
最初の観測データを受信したと発表した。
降下中のフィラエが高度3キロから撮影した
■チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の鮮明な画像を公開した。
フィラエは着陸時、彗星表面に機体を固定するためのいかりが発射されず、
バウンドしたとみられている。
ESAは着陸地点や今後の観測への影響などを確認している。
■ロゼッタは2004年3月に打ち上げられた。■
10年の旅路を経て今年8月に彗星近傍に到着。
フィラエは今月12日午後6時ごろ[日本時間]に分離され、
約7時間かけて着陸に挑んだ。
■彗星の内部は、約46億年前の太陽系誕生初期の状態が保たれているとされ、
観測結果が太陽系形成の解明につながると期待されている。
機体に問題がなければ、フィラエは約2日半かけて、
表面の物質などを観測したり、ドリルで地表を約20センチ掘り、
その場で内部の物質の組成を分析したりする予定だ。
■河北秀世・京都産業大教授[惑星科学]は
「多様で複雑な地形が彗星の表面に存在していたことに驚いている。
■太陽光にさらされる前の約46億年前の記憶をとどめた
彗星内部の氷の分析は、
その場にいるフィラエにしかできないことで、ぜひ成功させてほしい」と話した。
【大場あい】