何度か訪れた場所である。
とはいえ最後に来たのは高校生の頃だったかな。
30年ぐらい前だったと思う。
阪急嵐山駅へとバスに乗り込む。
釈迦堂の方から桂川へ向かう途中はとても賑やかであった。
楽しそうなお店がたくさん並んでいて、
指を銜えながら再びの訪問をと心で誓うが、
はたしていつのことになるだろうか。
桂川を走っている最中に、バスをどうしても降りたくなってしまった。
この場所も見逃したくない。
珍しい人力車に出会う。
観光にはもってこいの移動手段である。
この暑い夏、人力さんは大変だろうと想像する。
本来ならばもっと時間をかけて歩けたらいいものだと思う。
カメラ片手に思い付きで風景を写す。
EXRモードの力を借りているだけで、
構図とかそんなものはあまり考えていない。
ただ自分の目に飛び込む景色を
そのまま映しているだけで芸がない。
されど数百枚に及ぶ写真を撮れたことはうれしいに尽きる。
自分の足で歩いたことを思い出す。
古い歌が聞こえてくる。
詩の通り今でもその音が聞こえてくる。
滝の糸はたえてひさしく成ぬれど
名こそ流れて猶きこえけれ