要約すると、天井や壁から喋りかけられた。
前触れは特に無かった。
最初は、とんとんと、まず私の気を引く為に天井から底を叩く音がする。
そして注意を向けると、人が天井裏にいる気配がした。そして、天井裏から喋りかけて来た。
くぐもった声で、どちらかと言えば小さな声でしたので、囁き声よりかは声が通っていたと思いますが、
内容はあまり思い出せません。
しかし雰囲気と場所からして、後、話し方からして、その筋の人だなと思いました。
3人から5人はいてた様に思います。
私は最初は薄気味悪いと思って聞いていたのですが、
やくざの世界では上が言う事は絶対。間違いがあれば、指を落とす事がある位上下関係が厳しい世界でしたので、
私は怪訝を覚えながらも、直立不動で、受け答えしました。
結局、10分位の出来事だったと思いますが、覚えている会話と言えば、お前どうすんねや、やくざやるねんやろが、誰に付いて行くんや、Kに付いて行くんか?と、言った内容で、
私はあーだこうだ言ったが、意を決して、結局はいと言った。
よろしくお願いしますとも言った。
少し、やくざらしく言った。
すると、おめでとうと言って、天井の上や壁の向こうから、ばらばらの一本締めが聞こえた。全然統制の取れていない、異様な一本締めが。
声に集中する為に電気を消していたので、私は、豆球しか付いていない暗闇の中にいた。
それを言って、その人達はそこから居なくなった。
この時の印象は、今でも強く覚えている。私も、腹は決まっていたにしろ、Kさんの事務所で、天井裏や壁向こうから誰について行くんやと聞かれたら、それはKさんに付いて行きますと答えるだろう。
顔も見せずに、素性すらも明かさずに、しかも一方的に天井裏や壁の向こうから話しかけられているのに、私が何を答えようが、どういう拘束力があるねんと、たかを括っていた。
まず相手が誰か分からない。
もしかしたら警察かも知れない。
だが、当時は今よりももっとやくざの人が怖い存在だったので、不気味さだけが残った。
私はその時の受け答えに対して、
後悔はしていない。
どう考えても、悪いのは相手だ。
そんな話いちいち鵜呑みにしていたら、命が幾つあっても足りない。
恐らく、考えられる可能性としては、徹底的な監視状態にあった。
監視カメラ等が仕掛けられていたのだろう。
私はそう言う話が大嫌いなので、いちいち調べてませんが、遠隔で喋れるスピーカーみたいなのもあったのではないでしょうか。
その時は確か上の部屋の住民が凄く気になって、耳を澄ましていた記憶があるのですが、気配なんかで、何となく堅気では無い印象を受けました。
AM4時とかでしたが、足音なんかも聞こえていたと思います。
色々記憶が甦って来ますが、会話の内容が今いち思い出せません。
人ってそういうものだと思っています。
天井や壁を隔てた状態で聞こえて来る声とかって、どうしても印象が薄い。
しかし、この日を境に私の周りは変わった。
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