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マッケンローのフレンチドキュメンタリー!

先日、マッケンローのサインをゲットして以来、久しぶりにマッケンロー熱が高まってしまった。そこで調べていたら、2018年にフランスで制作された、マッケンローのドキュメンタリー映画が存在していることを知り、急ぎブルーレイを購入した。




映画のタイトルは、『John McEnroe: In The Realm of Perfection』。本作は、1984年の全仏オープンからのアーカイブ映像を編集したものだが、マッケンローのプレイスタイル、審判やカメラマンへの抗議や観客とのやり取り、そして勝利への強い拘りを通じて、マッケンローの真の姿を紐解いていくことを狙ったドキュメンタリーだ。監督はジュリアン・ファラウトというフランス人。当時、16mmで撮影した20時間にも及ぶ映像アーカイブがあり、それを編集している中でドキュメンタリー映画化を思い立ったという異色作品らしい。





購入したブルーレイを早速観賞したが、正直全体的には退屈な部分もあった。しかし、マッケンローの天才的なボレータッチをスローモーションでキャプチャーした映像や、お馴染み悪童と言われてしまう要因ともなっているラインズマンの判定や審判に対する抗議なども収められている。また、とても貴重な練習風景や、オフコートでのひと時、自分の等身大広告パネルを前におどける様子など、今までに見たことが無いレアな映像も収めれており、かなり感動した。





1984年の全仏オープンと言えば、マッケンローのテニス人生の中でも辛い記憶となった大会。1984年と言えば、マッケンローがテニスキャリアでまさにピークとなる成績を上げていた時で、その年はなんとたったの3敗しかしておらず、年間勝率はなんと驚異の96.47%(これは2005年に絶頂期のロジャー・フェデラーでさえ達成出来なかった記録)であったというから、如何に絶好調であったかがおわかり頂けるかと思う。そんな人生ピークの年にたった3回だけ負けた内の1敗が、ここ全仏オープンの決勝で宿敵のライバル、イワン・レンドルとの一戦であったのだ。




マッケンローはかねてからレンドルを苦手としていたが、この1984年の全仏の決勝でも第一セットを6-3、第二セットを6-2と2セット先取して楽勝ムードが漂っていた。しかし、結果的には第三セットを4-6でレンドルに取られ、そのまま第四セットを5-7、第五セットを5-7で取られて、接戦の結果優勝を逃した。彼のプレースタイル的にも、クレーコートをあまり得意としていなかったマッケンローはその輝かしいキャリアの中で一度も全仏オープンで優勝していないが、後にも先にも、マッケンローが最も全仏優勝に近付いたのがこの1984年の決勝であった。






このドキュメンタリーでは、後半決勝でのレンドルとの一戦もかなり取り上げており、久しぶりにじっくりと見たが、やはり見応えがあった。当時が懐かしくもあり、マッケンローファンの僕としては、とても苦い思い出でもある。もしこの決勝で勝利していたら、マッケンローの対レンドルや、全仏での成績という意味で、その後のテニスキャリアが大きく変わっていたかもしれないと思える大事な一線、そしてテニス史の貴重な一ページであった。そんな瞬間を細かく映像に捉えたドキュメンタリー映画は、まさにマッケンローの真の姿、そして勝利への拘りなどを収めたドキュメンタリーとして貴重な作品であった。

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