
伊賀神戸駅から伊賀線に乗り換えるのだが、この伊賀線の写真がこちら。漫画家の松本零士先生が描いた忍者やくの一のデザインが忍者の里への期待感を盛り上げてくれる。

伊賀神戸駅から忍者電車で約30分。伊賀上野市駅に到着すると、伊賀上野城はすぐこそ。伊賀上野城とは、元々は豊臣秀吉の家臣であった筒井定次が大阪の東に築いた城だが、その後徳川家康が関ヶ原の戦いに勝った後は、大阪城の豊臣軍を見張る為の拠点としてこの伊賀上野城を改築。その改築を手鰍ッたのが、城作りの天才であった藤堂高虎。特に30メートルにも及ぶ高石垣はまさに藤堂高虎のトレードマークであった。当時の天守自体は現存していないのだが、昭和10年に地元の名士、川崎克氏が私財を投入して再建したのだ。しかも、コンクリートではなく、木造で再建した為、昔の城を思わせる見事な仕上がりを見せている。

彦根城同様、天守自体は三層でさほど大きくは無いのだが、壁の白さが美しく、デザインもなかなか良い。

最上階の天井には再建当時に多くの著名人や画家が送った大色紙が46枚飾られているが、この中に当時の三井物産社長、益田孝のものもあった。

天守からの見晴らしも良く、城下町を見渡すことが出来る。
城下町はそんなに賑わっているわけでは無いが、昔の面影を残す大和街道など、レトロな味わいがある。天守の近くには子供用に忍者服を貸し出しているお店があって、多くのちびっ子忍者を敷地内で見ることが出来る。

天守の奥には忍者屋敷があり、ここでは可愛いくの一ガイドが忍者屋敷内の様々なからくりを案内してくれる。木の壁がくるっと回って『どんでん返し』はくの一ガイドさんが実演してくれた。他にも床の中の『刀隠し』には忍者刀と手裏剣が隠されていた。



忍者屋敷の地下には、忍者体験館があり、当時の手裏剣や忍者服など多くの展示物が。そして裏には忍者伝承館があり、ここでは忍者の生活などが紹介されている。また、今週はちょうど手裏剣大会が開催されており、忍者の格好をした多くの参加者で賑わっていた。


天守閣自体は姫路城や彦根城のように現存天守では無いので、やや残念ではあるが、でも木造で再建されている点では再建された城の中では秀逸な出来栄えであり、現存天守にも引けを取らないほどのクオリティーだ。忍者の里の伊賀上野城はなかなかの名城であった。
さて、次の第3弾では岡山城と、名刀として有名な備前長船刀を求めて旅をしてみたいと思う。