金八先生は1979年10月に第1シリーズがスタートして以来、足かけ32年にわたって放送されてきた最強の『学園ドラマ』。今回の最終特番では、同第1シリーズに出演した近藤真彦ら150人以上の“教え子たち”に送られて、武田演じる金八先生がついに定年を迎えるという設定。4時間もあってかなり、”これでもか~”というくらいの回想シーンや、3年B組OBが次々とウザいくらいに登場して現役生の問題児におせっかいを焼くところなどは、少しやり過ぎ感もあったが、それでも32年を締めくくる『贈る言葉 総集編』に相応しい、感動のフィナーレであった。
振り返れば、僕は第1シリーズと第2シリーズを一番リアルタイムで見ていたのだと思う。ちょうど第1シリーズを見ていた頃は小学5年生くらいだったと思うが、あの田原俊彦、近藤真彦、野村義男の『たのきんトリオ』を輩出し、他にも三原じゅん子、そして鶴見辰吾と杉田かおるが中学生にして子供を産んでしまうエピソードが当時あまりにも衝撃的だったが、伝説となった『愛の授業』は今でも鮮明に覚えている。
そして第2シリーズは不良や暴力がテーマとして色濃く出た。今は故人となってしまった沖田浩之、そして伊藤つかさ、川上麻衣子、ひかる一平などが登場。
その後足かけ32年での第8シリーズまで続いているのだが、全部しっかりとは見ていない。しかし、この全8シリーズを通して後にスターとなる多くの卒業生を輩出した、まさに券界の一つの『学校』であった。荻原聖人、浅野忠信、小嶺麗奈、亀梨和也、上戸彩、中尾明慶、本仮屋ユイカ、斎藤祥太、福田沙紀、黒川智花、忽那汐里、草刈麻有など、挙げればきりがない。今回の特番でも、あのジャニーズの岡本健一の息子で、Hey! Say! Jump!の岡本圭人が主演している。大勢のジャニーズも金八先生の授業を受けて巣立っていったのだ。
また、今回の最終特番には、水谷豊と伊藤蘭の娘、趣里も主演しており、話題性を持たせている。
久しぶりに特番の金八先生を見たら、当時小学生の頃良く見ていたことを思い出し、とても懐かしくなった。最近教師と生徒の繋がりが希薄になって、無気力・無関心となった学生たちが当たり前の時代からすれば、金八先生の『教育』という名の愛の鞭はとても『ウザい』ことかもしれない。でも、こういう熱い経験を通して学ぶこと、問題と正面から向き合って、本音でぶつかりあうこと、決して見捨てない先生がいてくれることで生徒たちも思い切ってぶつかっていけたのだ。そうすることで初めてわかるかけがえのない経験の大切さ、人間として『真の教育』とは何かを改めて思い出した。
最近は金八先生みたいに生徒に熱く接する先生も恐らく少ないだろう。すぐに体罰だとか、セクハラだとかで親の目が光る環境の中で、先生もリスクを冒してまで思いっきり生徒と向き合える環境には無いからだ。生徒も生徒の親たちも、学校にそのような役割をもはや求めていないし、先生も遣り甲斐が無いので理想の教師像が描けず、先生になりたい人も減っていくという悲しい負のスパイラルに陥っており、教育の質がどんどん落ちていることが危惧される。
やはり今の時代、我々日本人には『金八』が不足している。。。そんなことを感じさせてくれる金八先生の最終特番であった。
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