
安土城は、天下統一を目指した織田信長が、
1576年に建設した幻の名城として有名。
日本で初めて天守閣を備えた城であっただけでなく、
世界で初めての木造高層建築であった点でも画期的な城であった。
異彩を放つ奇抜・斬新なデザインと、吹きぬけを擁した、
当時最高の建築技術レベルを駆使して建てられた。


しかし、築城からたった6年後、信長の家臣、明智光秀の謀反によって、
本能寺の変で信長は帰らぬ人となったわけだが、
安土城も蜃気楼さながら、信長の死にあわせるかのように、
その後まもなくして何らかの原因によって焼失し、廃城となる。
実際の外観や構造は長い間謎とされており、幻の城と言われていたが、
近年加賀藩の大工に伝わる天守指図がようやく発見され、
一気に詳細が明らかになってきた背景がある。
まず安土城は入り口から入ると、その見事な大手道に圧唐ウれる。

左右には羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)や、
前田利家の屋敷跡なども見ることが出来る。

当時の様子をCGで再現したものがあるが、
如何に豪華であったかを伺い知ることが出来る。

そして大手道の階段を約20分登っていくと、
頂上には天守台のある本丸へとたどり着く。
まだまだ暑い日々が続くこの季節に天守台まで登るのは結構キツイ。

天守台から見る琵琶湖は絶景であった。
当時、信長もここから城下町や琵琶湖を見下ろしたのだろうと考えながら、
思わず歴史のロマンに浸ってしまった。
現在は干拓によって安土山は四方陸地となっているが、
築城当時は琵琶湖の内湖に囲まれた絶妙のロケーションであったらしい。

その後、安土城跡からほど近い場所に、
『安土城考古博物館』と『信長の館』がある。

特に信長の館には、あの安土城天守閣最上部の5階と6階部分を
実物大に完全再現されているが、これはまさに圧巻である!

この天守は1992年にスペイン・セビリア万博の日本館メイン展示
されたものをここに移築したものだが、黄金と朱色に輝く外観、
そして中も天界をイメージした黄金の間となっており、
その煌びやかでミステリアスな空間は、神になろうとした
信長の天才ぶりが伺い知れる。

念願であった安土城はやはり素晴らしいの一言。
実際の安土城跡で天下統一を目指した信長の世界観に触れ、
一見の価値ある、再現された見事な天守閣を見て、
改めて信長の非凡さを痛感する旅となった。