今年はブルース・リー師匠の没後50周年という大きな節目の年。先日参加した『WBLC 2023』という映画祭についてや、新聞記事などでも特集が多く組まれていることなどを取り上げたが、また記念イヤーにふさわしい話題を取り上げたい。
最近、世界中で50周年を祝う形で雑誌や本などが出版されており、大きな話題を呼んでいる。今回日本、イギリス、アメリカで出版された3冊の新たな本をゲットしたのでここに紹介する。
1)『スクリーン アーカイブズ ブルース・リー復刻号』 (日本)
創刊75年となる近代映画社の映画雑誌『SCREEN』では、これまで数多くのブルース・リー特集や、別冊などを出版してきた。そして記念イヤーの今年、なんとこれまでのコンテンツから、読者からリクエストの多かった内容を再編集して、このたび復刻されたのだ。装丁はさすが日本の雑誌である。表紙のデザインや全体の構成・レイアウトなどは見事である。また内容も単なる復刻ではなく、『WBLC 2023』などについても取り上げており、最新のコンテンツも一部掲載されているが、やはり見どころは過去に掲載された写真や記事をそのままの状態で振り返ることが出来る点で懐かしさを感じる1冊となっている。逆に亡くなったすぐ後の70年代後半当時の記事の中で、ブルース・リー、死の3週間前に撮影されたという貴重な写真なども再掲載されていたのは思わぬ収穫であった。
2) 『50 Years of Bruce Lee~Remembering The Legend』 (イギリス)
A4判の50周年記念本で、イギリスでの出版ながら、マレーシアのビンセント・チャン氏が編集したもの。表紙はブルース・リー各主演作からのポーズが描かれたイラストになっているが、なかなか良く出来ている。コンテンツは、著者が選んだ映画からのベストファイトシーンの写真やポスター集、珍しいオフショット写真なども掲載されており、デザイン感はイマイチあか抜けないが、内容としては悪くない。後半にはブルース・リーの名言集やベストキックなど、ユニークなランキングなどもあって面白い。僕が一番注目したのは、シアトルにあるブルース・リーのお墓の最新写真。お墓参りは過去に何度も訪れているが、あまりの人気スポットなので、今では周りに柵が出来たようだ。些細なことだが、新事実として思わず感動してしまった。
3) 『Bruce Lee His Life and Legacy』 (アメリカ)
最近アメリカで記念出版されたブルース・リー特集雑誌。一般的なアメリカの雑誌同様、ペラペラな紙質は相変わらずだが(笑)、これに反して中身はかなり充実しており、今回の3冊の中で一番濃いものとなっている。ブルース・リーの主要作品を取り上げ、彼の生い立ち、その哲学と言葉、家族への愛、死の真相、息子ブランドンの死などを取り上げており、またその後世界の武道界、メディア、サブカルに与えた影響、ブルース・リーを演じた俳優たちと、その後大量発生した偽ブルース・リーたち、そして後継のアクションスターたち等々、ブルース・リーを様々な角度から取り上げた包括的、且つそれぞれに充実した内容となっており、100ページ程度の雑誌とは思えない盛りだくさんな内容である。これで豪華なハードカバー装丁とかであれば、更に言うこと無しなのだが・・(笑)。
昨年末、『グリーンデスティニー』を監督したアン・リー監督が、自分の息子であるメイソン・リー主演でブルース・リーの新たな伝記映画を製作しているとの発表されている。アクション映画にも定評のあるアン・リー監督が手掛ける伝記は一体どんな映画になるのか、楽しみで仕方ない。公開タイミングはまだ発表になっていないが、来年以降の楽しみというところだろうが、これからもブルース・リーは世界中を魅了し続けるであろう。ブルース・リーは永遠に不滅である。