blue deco design lab

「IDEO」、そして「右脳産業」への挑戦

ここ数年、自分のテーマとして「右脳型思考への挑戦」を掲げているが、元々クリエイティブな世界に大変に興味有り、世の中が「右脳型社会」にシフトしていく中で、この領域での取り組みが益々重要になってくると最近特に痛感している。

以前ブログにも書いたが、僕の大変に尊敬するアメリカの企業に「IDEO」というデザインファームがある。シリコンバレーにあるこの会社は、相当な「右脳集団」で有り、訪問する度に刺激的な「イノベーションカンパニー」であることを痛感する。1991年にスタンフォード大学のデザイン科教授であったDavid Kelley氏が主にプロダクトデザインと空間デザインを手鰍ッることをメインビジネスに立ち上げた会社であったが、この中から以前紹介したプロダクトデザイナーで、Infobarなどで日本でもすっかり有名になった深澤直人などが誕生し、IDEOの遺伝子を持ったデザイナーを多く世に輩出している。最近ではプロダクトデザインに留まらず、その独特でユニークなメソドロジーを活かして企業顧客にInnovative Consultingを提供している。


IDEOの強みは、まずプロダクトデザインで得られたその強力なクライアントベース(Fortune 100企業群、及びベンチャー)が挙げられ、またプロダクトデザインで狽墲黷スアイディア・コンセプトの「可視化」(製品のプロトタイピングやアイディアのストーリーボード制作)を自社内の工場/ラボで制作出来ることから、技術に裏付けされた実行性のある提案を行うことが可能。また、人間中心のデザイン/洞察調査などを多岐に渡る専門分野の異なる専門家で構成されたデザインチームによって独特なメソドロジーを確立しており、物凄い速さでのブレストなどによってイノベーティブな製品、サービス、コンセプなどに仕上げていく。


IDEOが出版している本、「発想する会社! 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法」(早川書房)はかなり前に英語版と日本語版の両方を購入して読んだが、まさに僕のバイブルとなっており、右脳型思考を意識し始めたきっかけを作ってくれた本である。

また、昨年NYに住む友人からある本を紹介され、その後IDEOからもその存在を聞き、すぐに読んでみた本がある。それは、「ハイコンセプト ~「新しいこと」を考え出す人の時代」というタイトルの本であり(Daniel Pink著)、日本語版は大前研一が末オているので、目にしている人も多いだろう。この本には改めて右脳型社会、コンセプチュアル社会の重要性が説かれてあり、特に印象的だったのは、右脳型時代には下記「6つの感性」が重要となるという点であった。


①「機能」だけで無く、「デザイン」
②「議論」よりも「物語」
③「個別」よりも全体の「調和」
④「論理」ではなく、「共感」
⑤「まじめ」だけでなく、「遊び心」
⑥「モノ」よりも「生きがい」

僕が現在仕事で活動している情報産業界は、大きな環境変化が物凄いスピードで起こっている世界だ。IT・メディア産業は、その本丸である米国を中心に10年に一度「Disruptive (破壊的)」な変革を向かえ、全世界を巻き込んで恐ろしいスピードで進化を加速させている。今では生活に不可欠なインフラである「インターネット」や「携帯電話」が普及し始めたのがほんの十数年前であることを考えると、他産業に比べてその変化・進化のスピードが人々のライフスタイルに与えるインパクトは特に顕著である。

これまで「農耕革命」や「産業革命」などを経て、第3の革命とされる「情報革命」に移り、そして情報化社会のめまぐるしい環境変化により、昨今では既に第4の革命とされる「知的革命、右脳革命」に移行していく傾向が見え始めている。今後は、労働力が安い発展途上国が出来る仕事、PCが代わりに出来る仕事はやってはいけない、つまり「頭脳」部分である右脳型・クリエイティブ・コンセプチュアル社会をリードしていける国や企業が大きく飛躍するとされている。米国同様、先進国である我が日本がCreativity産業の中でどのようにリーダーシップを発揮していけるかもマクロでは大きなテーマだと考えており、また自分自身のチャレンジでもある。この本によって、IDEOによって確立された僕の右脳への興味と意識が改めて刺激された本であり、大変に共感出来る内容であった。
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