プリンスは膨大な数の楽曲をこれまでにリリースしているが、楽曲制作のスピードが異常に早いことでも知られている。アルバム数だけでこれまでに36枚をリリースしてきたが、これは同期のマイケルジャクソンやマドンナに比べるとかなり多い、ハイペースでのリリースだ。一説によれば、常に1,000曲くらいの楽曲ストックがあるというから、もう一生仕事をしなくても毎年のようにアルバムが何枚もリリース出来てしまうボリュームだ。しかし、プリンスはワーカホリックなことでも有名で、才能が溢れ出して、きっと休んではいられないだろうと思う。
これまでにリリースした、膨大な楽曲群の中でも僕が特に好きなアルバムを取り上げたい。僕の選ぶプリンスのアルバムトップ5は下記の通りである。
1) Purple Rain(1984年)
『Purple Rain』は言わずと知れた、プリンス最大のヒット作として有名。白人の音楽であったロックとファンキーなブラックミュージックを融合したサウンドは当時あまりにも斬新であったし、世の中に対する反骨精神はとてもカッコ良かったのだ。このアルバムから4曲ものヒットシングルを叩き出し、中でも1位を獲得した2曲、『Let's Go Crazy』と『When Doves Cry』と、『I would Die 4U』、『Baby I'm a Star』が大ヒット。
2) 20Ten(2010年)
タイトル通り2010年にリリースされた。かなり地味なアルバムで、ローリングストーン誌の付録と言う形でリリースされた異色のアルバムなので一般的にあまり存在を知られていない。しかし、中身は何ともプリンスらしい楽曲のオンパレード。しかも初期のプリンス作品や、アルバム『Batman』を思い起こさせるシンセサウンドが炸裂。イチオシは、ファンキーでャbプな名曲『Compassion』を始め、他の曲もかなりファンキーでキャッチー。また、このアルバムには『Laydown』という隠しトラックが77曲目に入っているが、この曲がまたカッコいいサウンド。歌詞の中に"パープルヨーダ"が出てくるが、プリンスはまさにパープルヨーダにふさわしいのだ(笑)。
3) HITNRUN Phase Two(2015年)
昨年12月に突然リリースされたプリンス最新のアルバム。昨年夏にリリースされたHITNRUN Phase Oneが個人的にはイマイチだったので、正直続編に当たるようなこのPhase Twoにはあまり期待していなかった。しかも、数年前にリリースした曲なども収録されていて、単なる寄せ集めかと思いながら軽く聴いてみると、これが何とも全体に見事なまでの統一感と深みのあるアルバムに仕上がっていた。聴けば聴くほどスルメのように味が出てくる大人のテイスト。特にミディアムファンクな『Stare』は、名曲『Kiss』からのサンプリングや、ホーンなども効果的に響かせてセクシーな曲。昨年ダウンロードしたアルバムの中では最も良く聴いている。
4) Batman(1989年)
映画『バットマン』のボーカル版サントラ的なアルバム。ファンキーさとャbプさ融合レベルの高さでは恐らくプリンス最強のアルバムだろう。ビートも良く効いていて、スパイシー。バットマンのサウンドをサンプリングした『Batdance』や、ジョーカーのイメージソング『Partyman』、『Trust』、『Lemon Crush』などはノリノリで、楽しくなること間違いなし!当時は映画と共に大ヒットした。『The Electric Chair』はプリンスらしい歌詞だが、サウンドはなかなか斬新でカッコいい。また『Arms of the Orion』はプリンスらしからぬ爽やかなバラードとなっている。
5) Parade(1986年)
モノクロの映画”Under The Cherry Moon"のサントラ。あの大ヒットシングル『Kiss』を収録。アルバム全体にマニアックでバラエティーに富んだ曲が盛りだくさんで、かなりマニアックなテイストだが、個人的には好きなアルバムであり、思い出深い。ビートルズの『Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band』のような世界観がある。特に『Mountain』、『New Position』、『Girls& Boys』などは秀逸だし、ラストの『Sometimes it Snows in April』はバラードの名曲。
また、好きな楽曲で言えば、下記がトップ15となる。どの曲も甲乙つけ難い名曲揃いだ。
1) I Would Die 4 U
2) Kiss
3) Let's Go Crazy
4) Delirious
5) Sexy MF
6) Guitar
7) Lolita
8) Black Sweat
9) Little Red Corvette
10) Peach
11) Purple Rain
12) Stare
13) Compassion
14) When Doves Cry
15) I would never take place of your man
プリンスはいつの時代にも常に新しいサウンドを提供してくれるが、結局どれもプリンスらしい灰汁の強さが何とも刺激的だ。これからも期待したい。
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