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“アバクロ帝国”は拡大中!

日本でもすっかりおなじみになったアバクロことAbercrombie & Fitchだが、相変わらずアメリカでも人気だ。WASP(白人)主義で、美しい男女の店員を各店舗に配置し、香水の匂いがプンプンする店内や香りが染み込んだ洋服は独特な”アバクロワールド”を作り出していて、実にアメリカ的でカッコいい”ライフスタイルブランド”であると言える。店内の音楽もターゲット層を意識したノリノリの曲が満載で、予め決まっているプレイリストと予め全店舗で決められている音量設定があり、この一貫したブランドイメージ戦略により、実にうまくマーケティングされているのだ。

2005年の11月には、アバクロ最大の旗艦店として、ニューヨーク5番街に店を構えた。ところが、なんとアバクロはニューヨークで115年も前に創業していたことを皆さんご存知だろうか? 意外なことに、元々アバクロとはアウトドアスメ[ティングウェアブランドとして、1892年にDavid Abercrombieによって立ち上げられたものだ。その後ニューヨークの大変に裕福な弁護士であったEzra Fitchが経営に参画し、Abercrombie & Fitchが正式誕生。1907年には、DavidとEzraの間でブランドの経営方針で意見が対立し始め、結局Davidは持ち株をEzraに売却して、アバクロはEzra単独の経営会社となる (写真は1909年当時のアバクロカタログ)。その後も老舗アウトドアブランドとして続くが、決して経営状態は良く無かったらしい。

1988年、Victoria’s Secretなどを傘下に持つThe Limited社が、アバクロのブランド再生に動き出す。そして、1990年から2000年の10年間を鰍ッてMike Jeffries CEOの下で、お洒落なTeenagerブランドとして生まれ変わることになり、現在に至っている。これは、老舗ブランドを活用した、見事なブランド再生劇である。

現在、アバクロは大学生向けのライン、Abercrombie & Fitch (18-22歳)、弟ラインのAbercrombie (Target 7-14歳)、それにハイスクール向けビーチウェアサブブランドのHollister(Target 14-18歳)を展開中。そして、最近は大学生以降のやや大人向けをターゲットとしたRUEHL No.925 (22-35歳)の展開もはじめている。RUEHLはまだ店舗数が全米でも少ないが、ちょうど家から車で20分くらいのところにあるニュージャージー州のGarden State Plazaモールに店があるので、購入が可能だ。そして2008年1月には、第5のブランドGilly Hick’sを立ち上げる。また、2009年にはいよいよ日本の銀座にも店をオープンする予定らしい (裏話として、アバクロは僕の勤める商社のアパレル事業部を始め、多くの商社や企業が日本での合弁会社設立を目指して提案したらしいが、アバクロはあくまでもフルコントロールの利く形で、自社展開する道を選んだらしい。店員の選考にも拘りが深い)。

先日、家の近所のモールにあるアバクロとHollisterを訪れ、アバクロではャ鴻Vャツ2枚と短パン、Hollisterではジーンズ2本を購入したが(写真)、相変わらずなかなか魅力のあるブランドである。
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