1978年、小学校3年生の時、僕はちょうど5年間のアメリカ駐在から帰国したが、その際に良くLAで聴いた日本の曲が何故か岩崎宏美の『想い出の樹の下で』。知らない人も多いような曲だが、僕にとっては今でもこの曲を聴くたびに、あのアメリカから帰国した小学校3年生の頃が断片的に思い出され、とても大切な思い出の1ページだ。“私は、忘れない~、私は忘れない~、晴れた日の想い出の樹の下を~♪”という歌詞が、“日本に帰っても、アメリカのことは忘れない”と幼心に誓った、当時の自分の心境にシンクロしたのだろう。 かなり大人になってから、“あの時聴いていた、岩崎宏美の曲はなんだっけなあ?”と考えながら、上記サビの歌詞を頼りに調べて、この曲にたどり着いたことが懐かしく思い出される。今ではiTunesでも直ぐに手に入るが、昔は岩崎宏美のベスト版CDなどを探しまくって、この曲が入っているのを見つけてCDごと購入したのを良く覚えている。しかし、この作業は大げさに言えば、自分のアイデンティティー探し、記憶の引き出しを開くようであったが、音楽とはそういう大きな力を持っているから不思議である。