僕は大学生の頃、Basiaの曲をとても良く聴いていた。ドライブする時に車の中で聴くには最高で、当時特に好きだったのが、1987年にリリースされた『Time and Tide』というBasiaのファーストアルバムだった。
彼女の歌声は素晴らしく、パワフルで且つ繊細。ポーランド生まれのBasiaだが、ラテンミュージックの明るさと、ジャズのムーディーさ、そして軽快なポップスのエッセンスを見事な歌声で融合したような楽曲はどれも美しく、大学生だった自分としては、ちょっと背伸びした、大人びた音楽としてオシャレに映ったし、とても耳馴染みのいい音楽であった。
このアルバムの中で『New Day for You』という曲が、日本でParcoのCMで使用され、当時テレビでもよくかかっていたので、とても印象深い。
アルバムには下記全11曲が収録されているが、どの曲もシングルクオリティーで、今聴いても全く色褪せない名曲ばかりだ。
- Promises
- Run for Cover
- Time and Tide
- Freeze Thaw
- From Now On
- New Day for You
- Prime Time TV
- Astrud
- How Dare You
- Miles Away
- Forgive and Forget
どの曲も素晴らしいので本当に甲乙つけがたいが、特に好きだったのはとてもオシャレで心地いい『Promises』、やっぱりCM曲として印象深い『New Day for You』、ノリの良いコーラスが特に気持ちいい『Prime Time TV』あたりだろうか。でも今改めて聴いても本当にハイクオリティなアルバムである。Basiaの歌声も高音から低音までのレンジがとても広く、伸びと艶のある歌唱は音楽界に大きな爪痕を残したのではないかと思う。そして彼女は特に日本でも人気で、日本のファンにも強いインパクトを残した。
ちなみに、Basiaは1990年にリリースしたセカンドアルバム『London Warsaw New York』では更にその人気を拡大し、バブル期の日本でもこのアルバムは大ヒット。このアルバムも、『Time and Tide』と甲乙つけがたい名アルバムとなったし、特に『Copernicus』という曲が大好きで当時CDで頻繁に聴いていたのが懐かしい。
そして更には1994年にリリースされたサードアルバム『The Sweetest Illusion』も見事なクオリティのアルバムだった。この3枚のアルバムは本当にどれもキャッチーで美しい曲ばかりが収録され、毎回期待を裏切らない、いや予想を超えていくようなアルバムを届けてくれていた。このアルバムはちょうど社会人になった後にリリースされたこともあり、新人時代に良く聴いていたのが懐かしい思い出だが、日本でも大ヒットした。
本当にBasiaのアルバムは今この時代に聴いても全く色褪せていないし、古臭い感じもしない。とても37年前にリリースされたアルバムとは思えないのだ。最近またApple Musicで久しぶりにダウンロードして聴いているが、その素晴らしさをまた痛感してしまった。最後に来日したのが2018年で、Billboard Liveで来日公演を行っていた。また今後来日の機会があれば、ぜひ生でその歌声をまた聴いてみたいものである。