先日、奇跡的な『鉄人28号』の光文社単行本を入手することに成功した。『鉄人28号』の様々なグッズをコレクションしているが、中でも特に大切にしているのが、1958年から光文社から発行された最初の単行本シリーズである。数ある『鉄人28号』の漫画本の中でも、これが最初に発売された単行本なので、今では一番希少価値が高いものだ。全7巻あり、全て揃っているものは20-30万円以上してしまう上、そもそもそんなに数も出回らない為、手に入れるのは至難の業。更に良い保存状態で入手するのは本当に奇跡にも近い。
これまで全7巻の内、1, 2, 3, 5, 6巻の計5巻を入手しており、残すは第4巻と第7巻のみなのだが、この2冊がなかなか入手困難なのだ。持っている計5巻は、どの巻も状態はかなりいいものを入手することに成功しているが、残念ながらいずれも発売当時についていたカバーが無い状態。カバー付きを、そこそこリーズナブルな価格で見つけることはもはや“奇跡”に近い。しかし、今回なんとその奇跡が起きてしまった!
今回入手したのは、第2巻のカバー付き昭和33年(1958年)初版本。既に第2巻はカバー欠では持っているものの、今回見つけたのはカバー付きであまりにも状態がよさそうだったので、迷わず即買いしてしまった。
入手した第2巻をチェックしたところ、状態が恐ろしく完璧で正直驚いた。一か所だけカバーの小さな破れが認められるものの、カバーや本自体もとてもキレイな状態で、まるで66年も前の本とは思えない美しさを保っている。初版本にも関わらず、背表紙も特にヤケなども見られず、各ページの折れや破れ、角の痛みなどもほぼ皆無。本の割れや落丁も無い。発売当時の美しさを今に伝える、まさに“化石”のような単行本を手に入れることが出来たのは、奇跡以外の何物でもない。
今でもこんな素晴らしい状態で保管していた人がいたことにそもそも感動・大興奮してしまったが、まるでタイムカプセルのようだ。横山光輝の思い、そして当時初めてこの単行本を手に取ったであろう少年たちの感動を想像しながら、これからもこの第2巻を貴重な『鉄人28号』コレクションの一つとして大切に保管して行きたい。