最近、追悼することがとても多くなった。
ここ最近だけでも1月にジェフ・ベックと高橋幸宏、2月には松本零士、そして3月にボビー・コールドウェルなど、往年の名ミュージシャンたちや大御所漫画家が立て続けに亡くなってしまった。そして、ガンとの闘いを続けていた坂本龍一がついに力尽きてしまい、先月28日に亡くなった。1月に高橋幸宏が亡くなった際にもブログに書いたが、坂本龍一の病状がどうなのかとても気になっていたが、こんなにも早く亡くなってしまい、本当に残念である。きっと人知れず辛い思いをしていた筈だが、死の直前まで音楽に対する情熱を失うことなく、ピアノ演奏をしている模様を公開していたり、1月に遺作となったアルバムをリリースするなど、精力的な音楽活動していたのが印象的であった。
YMOのメンバーも細野晴臣だけになってしまったし、先日ビートたけしも追悼コメントをしていたが、『戦場のメリークリスマス』も、大島渚、デビット・ボウイ、そして坂本龍一もなくなり、“残ったのは俺だけになってしまった“、と語っていた。坂本龍一は71歳で亡くなったが、年齢的にはまだ亡くなるような年ではない。その意味では高橋幸宏も坂本龍一も早過ぎる死であった。
先日、ちょうど坂本龍一のアルバムの中で僕が最も好きなアルバム、『Gruppo Musicale』をブログで紹介したが、最近追悼でまた色々と坂本龍一のアルバムを振り返りながら聴いている。その中で、同じくとても好きなアルバム『/05』というピアノ・インストアルバムが結構好きで、長年聴いているが、今回また久々に聴いてみて、やっぱりピアノの心地良さ、そして坂本龍一の美しい旋律を改めて噛みしめている。
このアルバムは、とてもシンプルでアーティスティックなジャケットがとてもセンスの良さを感じさせる。アルバムに収録されているのは下記14曲。
- Tibetan Dance
- A Flower is Not a Flower
- Amore
- Energy Flow
- Aqua
- The Last Emperor Theme
- Happyend
- Thousand Knives
- Fountain
- The Sheltering Sky theme
- Lost Theme
- Shining Boy & Little Randy
- Reversing
- Rainforest
全てピアノ演奏によるインストルメンタル曲だが、アカデミー作曲賞を受賞した映画ラストエンペラーのメインテーマ、『The Last Emperor Theme』や、CMで大ヒットした『Energy Flow』、そしてソロ代表曲でもある『千のナイフ (Thousand Knives)』のピアノ版なども収録されており、家でBGMとしてリラックスしながら聴くには最適な癒しアルバムとなっている。
昨年の10月に父を亡くしてから、人の死に対してとても敏感になっていると思う。このような訃報を聞くたびに心が痛むし、自分の青春時代を彩ってくれたスターたちが少しずつ亡くなっていくのは、なんだか自分の大切な一部も消滅していくようで、とても切ないものであるが、まずは坂本龍一のご冥福を祈りたい。彼が残してくれた芸術はこれからも人々の心、そして音楽業界に居続けるであろう。