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懐かしの映画チラシブーム

今回、ロフト計画を実行するにあたり、実家にしまってあった色々なお宝を引っ張り出してきたが、その中に「映画チラシコレクション」がある。

僕が中学生だった頃は空前の映画チラシブームだった。学校ではみんな映画チラシを集めるのが流行っていて、それも単に好きな映画のチラシを映画館から貰ってくるというようなものでは無く、切手や古銭と同じで価値のあるものを”コレクション”するという意味でも大きなブームであった。通常は50円とか安いものが主流であったが、中には異常に高価な希少チラシもあって、コレクターの間では如何にこれをゲットするかに注目が集まっていたものだ。中学生であった僕らも、例えば映画自体は見たことが無いような50年代、60年代の名作などのチラシもせっせと集めていたから、今考えると結構笑えてしまう。

僕も当時完全に映画チラシコレクションにはまっており、チラシを色々と買ってきては価格表などを作成して、学校の友達にチラシを販売したり、交換したりしていたものである。当時有名だったのは、「大井スタンプ」という、言わば「映画チラシの聖地」のようなチラシ専門店があったが、残念ながら今はもう無いらしい。当時、大井スタンプに行くと実に様々なジャンルの映画チラシが所狭しと店内に並んでいたものだが、レアもののチラシなどはマニアが殺到していたし、数にも限りがあったので、ちょうど今でいう秋葉原のフィギュアショップにも似たマニアックで異様な熱気がそこにはあった。大井スタンプというだけあって、本店は大井町にあったのだが、その支店が我が家にも比較的近い町田にもあって、良く中学時代の友人たちと自転車に乗って町田までの長い道のりを、チラシ欲しさに通ったものであった。

僕のコレクションの中でも特に高価なものはブルース・リーの名作「燃えよドラゴン」のイラストバージョンのチラシと「死亡遊戯」の「ブルース・リー通信No.2」と呼ばれるチラシだ。「燃えよドラゴン」のチラシは何バージョンもあるが、裏面に記載されている映画館名によっても価値が変わったり、イラストバージョンや写真バージョンなどによっても大きく変わるが、僕の持っているイラストバージョンは10,000円くらいするらしい。当時5000円くらいでゲットしたが、50-100円のチラシが多い当時のチラシ業界でもかなり高い部類だった。


「死亡遊戯」のブルース・リー通信No.2チラシは、僕の所蔵しているものの中でも希少価値が高いもので、現在オークションでブルース・リー通信No.1とのセットで20,000円くらいの値が付くらしい。

「ドラゴン危機一発」、「ドラゴン怒りの鉄拳」の映画説明がそれぞれ1面に来ているレアなチラシもある。

この他に「大空港」という映画のチラシはチラシ収集業界でも有名なチラシだが、現在やはり20,000円くらいの価値がある模様。チラシの中には50-60万円もするものもあるらしいから、チラシ業界も凄いものだ。しかし、高価なチラシがあるということは、どうしても偽者も出てくるので、本物と偽者の見分けたもャCントになる。見分け方もチラシによって色々だが、チラシ全体の色合いや、映画館名、映画館名のチラシ上の記載位置、初回上映かリバイバルかでも大きく値打ちが異なるので意外に奥が深い。

チラシの集め方だが、主に希少価値の高いものを狙うやり方もあれば、好きなシリーズで集める人(例えば、007、猿の惑星、寅さん)、ジャンルで集める人(SFもの、ホラーもの等)、好きな映画監督や俳優別に主演映画のチラシを集めていく人もいて、結構面白い。俳優的にもチラシの価値的にも特に当時人気だったのはスティーブ・マックィーンとクリント・イーストウッドだった。というのも、あまり最近過ぎる人気俳優だと、チラシ自体が熟成されておらず単価が安いという状態になり、またコレクションをするからには、ある程度長い時期に多くの映画に主演している俳優の方が当然集め甲斐があるというわけだが、この2人の俳優のチラシは、今でもチラシ業界で人気であり、高価で価値の高いものが多い。
僕も色々な集め方をしていたが、主に俳優別ではブルース・リー、ジャッキー・チェン、監督別ではヒッチコック、シリーズものではスターウォーズ、猿の惑星、007、ゴジラシリーズなどを集めていた。

もう25年くらいも前に集めた映画チラシの数々を見ていると、当時の熱い思い出が鮮明に蘇ってくる。よくもまあこんなに集めたものだが、当時お小遣いの大部分はこのチラシ集めに費やされていたし、大井スタンプに通って、学校の教室でチラシの交換などに夢中になっていたわけで、お金も時間も相当つぎ込んでいた。チラシを通して友人たちと共有した時間は、本当に貴重な青春の1ページである。チラシ自体の価値も去ることながら、やはり長い年月を経て、今でも当時にタイムスリップ出来ることが、チラシたちの最大の価値であることを今痛感している。

コメント一覧

you
吉田類の酒場放浪記で今 学倦蜉w編がやっていたので
そういえば中学生の頃(昭和54年)映画のチラシ買いに来たなぁと
ネット検索していたらここにたどり着きました。

当時 大井スタンプ、品川スタンプもよく買いに行きました
懐かしいですね。
当時集めるだけ集めてそのまま40年近く押入れの中で
眠っております。

当時3000円くらいの「大脱走」のチラシをお金がなくて買えなかった事を
今でも悔しく思っています・・・
しい
35年前以上、学倦蜉wに映画のチラシを販売してるところがありましてね
懐かしいです。昭和世代には、限られた娯楽しかなかった時代ですからね
私もアルバイトしていました!懐かしいです
しどろもどろ
>喬さま
社長さんの、ご子息の方でしょうか・・・?
うっすらですが、憶えていますよ。
お酒が大好きだった「社長」、映画チラシの知識は日本一だった「おじさん」、個人的に大変お世話になったおばさん・・・
もう、懐かしくて涙が出そうですよ。

何年か前、社長とおじさんは鬼籍に入られたと風の噂を聞きました。
おばさんはお元気でしょうか?
(すいません、「おじさん」とか「おばさん」とか、図々しく言っておりますが当時、社内では親しみを込めて、この様に呼んでいたのです。)

大井スタンプでアルバイトをしていたとのコメントを見て、ついコメントしたくなりました!
今から20年以上前だと、私は8歳くらいだと思いますが、覚えていらっしゃるでしょうか?
私、あそこの息子です。笑
しどろもどろ
はじめまして。過去ログへのコメント、すいません。
何気なくネットサーフィンをしていた時、こちらへ辿り着きました。

私が高校生だった、今から20年以上前、大井スタンプでアルバイトを
していたことがあります。『価格表』!懐かしいの一言です・・・。
この画像を拝見して、その頃の記憶が一気に思い出されました!
当時、お客さんにチラシの値段を訪ねられた時、映画のタイトルがびっし
り記されたこの価格表をシラミつぶしにチェックしたものです。

あぁ、もう一度、価格表を手にしてみたいなぁ・・・。

とても図々しいお願いで恐縮なのですが、この価格表をお見せ頂く事
は可能でしょうか?

何卒、宜しくお願い致します。
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