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“庵野秀明『シン・シリーズ』3連発”を週末一気観!

この週末、WOWOWで連続放送されていた庵野秀明の“シン“シリーズ作品、『シン・ゴジラ』、『シン・ウルトラマン』、『シン・仮面ライダー』を一気観してしまった。今回、昨年公開された『シン・仮面ライダー』のWOWOW初出しということもあり、これを記念して『シン・ゴジラ』、『シン・ウルトラマン』も連続放送されたものだ。

どの作品も劇場公開時に観ており、また『シン・ゴジラ』、『シン・ウルトラマン』は既に過去にブルーレイで録画して持っているのだが、3作連続で観ると、独特な世界観・空気感がどの作品にも色濃く出ていてなかなか圧巻である。まさにマニアックな庵野秀明ワールドである。初回劇場で観賞した時に比べ、またじっくり自宅で観ることで幾つか感じるところがあったので、各作品コメントと、下記テーマで改めて取り上げてみた。尚、公開当時に書いたブログのリンクもご参考まで。

1) シン・ゴジラ (2016年公開)

振り返ってみると、『シン・ゴジラ』に関しては意外にも当時ブログで取り上げていないことが判明。でもこの3作の中で『シン・ゴジラ』が一番繰り返し観ている作品かもしれない。

個人的に今回連続して観賞した結果、やっぱり3作品の中で一番秀逸だと感じたのは『シン・ゴジラ』である。色々と忖度しながらも政府関係者でゴジラへの対応策を考えていく高速で緻密で(時には不毛とも思えるような)やりとりはかなり独特で、日本人特有のいい面、悪い面が見事に表現されている点がやはり秀逸である。ハリウッドのパニック映画ともまた違った空気感は、海外の人が客観的に見るとかなり滑稽に映るだろうし、日本人である僕が見てもかなり滑稽だ。その意味で日本の政治をディスる皮肉なコメディーのようでもあるのだが、同時に日本に対する警鐘でもある。災害時・非常時には結構こんなことが舞台裏で繰り広げられているのではないかと思えるくらい、リアリティをもって描かれているのが何とも面白かったが、色々と対応のスピードや判断に問題がありながらも、最後は国民が一丸となって有事と対峙していくのだというメッセージは意義深いし、今後大型地震などのリスクも大きい日本にしか創れない映画であると思う。そして、やっぱり“ゴジラ”というコンテンツの強さを痛感した。ゴジラが日本から誕生した歴史的な背景や、ゴジラがこれまで世界にもたらしたインパクトなどを考えると、ゴジラはやっぱり日本を代表する永遠のキャラクターであることを再認識した。この作品に出演していた俳優陣の多さ(328名!)とその顔ぶれの豪華さも、数ある日本映画の中でも群を抜いているが、ギャラはどうしたのだろうと心配になってしまう。しかし、これもゴジラという魅力ある強力なコンテンツだからこそ成せる技なのだろう。

2) シン・ウルトラマン (2022年公開)

ついに公開、衝撃の『シン・ウルトラマン』! - blue deco design lab (goo.ne.jp)

『シン・ゴジラ』で見事に描かれた日本政府の滑稽さは2022年に公開された『シン・ウルトラマン』にもある程度継承されており、『シン・ゴジラ』にも出演していた竹野内豊の登場により、続編かのような見事な空気感が続いていたが、どうしてもウルトラマンというキャラクター自身が醸し出す非現実感の為、ファンタジー要素が強く、『シン・ゴジラ』ほどのリアリティが無い。『シン・ウルトラマン』ではスーパーヒーローものとしてのカラーは意識的に抑えてはいたとは思うが、そこは良くも悪くも純粋な特撮/SFの娯楽作品という色合いがどうしても強くなるのはキャラクターの性質上仕方がないのだろう。今回のウルトラマンはかなりパワーアップしており、何よりもカラータイマーによる時間制限が無いのが凄い。僕はオリジナルのウルトラマンが大好きだったが、今回オリジナルのウルトラマンスーツアクターであった古谷徹のモデルをCGで忠実に再現していた点など、往年のウルトラマンファンにはたまらない様々な仕掛けやオマージュが散りばめられていてかなり楽しめた。それでも、純粋な映画としてのパワーとメッセージ性という意味では『シン・ゴジラ』を超えるのは難しかったと思う。また特筆すべきポイントとして、ウルトラマン役の斎藤工と、メフィラス星人役の山本耕史の二人がかなり異色で、スパイスの効いた配役となっていたことは印象に残った。後にヒノキヤグループのZ空調CMで映画さながらの宇宙人的で不気味な競演が継承されたことでも話題となった。

3) シン・仮面ライダー (2023年公開)

庵野秀明最新作、『シン・仮面ライダー』ついに公開! - blue deco design lab (goo.ne.jp)

そして昨年公開された“シン”シリーズ第三弾の『シン・仮面ライダー』は、これまでの日本政府の滑稽さはあまり登場せず、3作品の中ではかなり異色の作品となっている。しかし、往年の仮面ライダーファンにとって何よりも嬉しかったのは、オリジナルの仮面ライダー放送当時に醸し出していた独特の空気感と主人公の生い立ちにおける哀愁・刹那が上手くリメイクでも再現されていたのには感服したし、オリジナルに対する愛とリスペクトを感じた。但し、3作品の中では一番“娯楽”要素が強く、色々な意味で後に残らない作品である点は否めない。仮面ライダー自体のアクションはカッコよく、逆に敵を倒すシーンは血しぶきが飛び、ややグロテスクな描写もあった為、アクションシーンは斬新で刺激的ではあった。配役に関して、個人的には仮面ライダー1号を演じた池松壮亮、仮面ライダー2号を演じた柄本佑の2人が若干の配役ミスではないかと感じてしまった。決して2人の俳優としての才能を否定するものではないが、なんとなく少し弱いかなと感じてしまった。オリジナルの藤岡弘のイメージが強過ぎたのかもしれないが、アクション重視で考えるとやはりアクションと、哀愁のある演技いう意味では仮面ライダー1号に横浜流星や吉沢亮あたり、仮面ライダー2号には岡田准一あたりの方が良かったのかもしれないと、個人的には妄想してしまったが、これは完全に好き好きだろう。

4) 豪華なヒロインたち

改めて3作品を連続して観ると、それぞれのヒロインを演じた3人の女優陣も何とも豪華であることを痛感する。『シン・ゴジラ』には石原さとみ、『シン・ウルトラマン』には長澤まさみ、そして『シン・仮面ライダー』には浜辺美波という、なかなか旬で強力な布陣が作品を彩った。僕はこの3人の中では浜辺美波が一番好きなのだが、『シン・仮面ライダー』の浜辺美波はかなり可愛かったので、彼女をチェックするだけでも観る価値のある映画である(笑)。他には『シン・仮面ライダー』に長澤まさみもサソリオーグとしてちょい役出演、他に蜂オーグの西野七瀬も登場して異色の怪人ドラマに華を添えた。

5) 各作品の音楽に関して

そして音楽に関しての感想・・。どの作品も新しい音楽が用意されているのだが、オマージュとしてオリジナル作品の懐かしいサントラ音楽やテーマ曲がそのまま上手く使われており、リスペクトを示しながら原点に込められた空気感を再現するのに一役かっている。特に『シン・ゴジラ』ではお馴染み伊福部昭のオリジナルゴジラサウンドが満載であった。そんな中で、今回新たに作曲された楽曲に関しては、『シン・ウルトラマン』では米津玄師が歌う主題歌『M八七』が新たな試みとしてヒット。そしてインストのサントラとしては『シン・仮面ライダー』の音楽がかなり秀逸であると感じた。アニメのサントラなどを多く手掛けている岩崎琢(いわさき たく)が『シン・仮面ライダー』のサントラを手掛けているが、これがシンセも効いたキレのあるハードロックサウンドで何ともカッコいい。今回刺激されてApple Musicでサントラを思わずダウンロードしてしまった。サイクロンで颯爽と走る仮面ライダーのイメージなのでスピード感のある曲に仕上がっているのだが、ちょっと不安を煽るエッジの効いたサウンドでもあり、ドライブミュージックには意外と向かないかもしれない(笑)。

6) 僕の次なる妄想

庵野秀明の次回作はどうなるのかわからないし、現状は『シン』シリーズが続く予定もないようだが、個人的には実写版での『シン・ガンダム』や、『シン・キカイダー』などはぜひ見てみたい気がする。『宇宙戦艦ヤマト』と『あしたのジョー』は既に実写化されているが、『ガンダム』の実写化がもし実現したらちょっと興味深い。Netflixで実写化の話があるようだが、お台場や横浜に長く設置されていた等身大ガンダムが、世界で起こっている災害や紛争などに立ち向かい、混沌とした世の中に一石を投じるガンダムがもし実現したしたら、今の時代にこそ求められるガンダムになるかもしれない。

コメント一覧

bluedeco1969
@onscreen コメントありがとうございます!僕もゴジラ映画の中ではゴジラ-1.0好きです!物語の時代背景も、特撮のクオリティも見事でしたね。日本ならではの素晴らしいゴジラ映画でしたー
onscreen
ゴジラはリブートできてよかったな、とは思います...

とはいえ個人的にはこちらの方が好みです

https://blog.goo.ne.jp/onscreen/e/9290572f8bfba22142e09565312f12fc
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