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マイケルのアルバムを振り返って

マイケル・ジャクソンが亡くなってから、彼の昔のアルバムを引っ張り出してはiPhoneで聴いているが、ここで改めて彼のアルバム作品を振り返ってみたい。

1) 「Off The Wall」
1979年発売。全世界で2000万枚を販売。ソロとしての最初のアルバム、「Off The Wall」はオシャレな傑作R&Bアルバムで、プロデューサーQuincy Jonesと製作した3枚のアルバムの第一弾。僕の最も好きなマイケルの曲、「Rock with You」が収録されており、この他にもアルバムタイトル曲「Off The Wall」、1位を記録した先行シングル「Don’ t Stop Till You Get Enough」、涙で声が詰まってしまうバラードの「She’s Out of my Life」などのシングルヒットが満載。Paul McCartneyから楽曲提供を受けた「Girlfriend」も素晴らしい曲だ。若さ溢れるマイケルのキラキラした魅力が堪能出来るアルバムだ。



2) 「Thriller」
1982年に発売された、誰もが知るセカンドアルバム「Thriller」は世界で最も売れたマイケルの最高傑作で有り(全世界で1億枚を販売)、音楽史に残る金字塔である。そして、もちろん僕の最も好きなマイケルのアルバムである。このアルバムは前作に続きQuincy Jonesによるプロデュースで、テイスト的には「Off The Wall」を更に大人のR&Bに仕上げた作品だが、「Beat It」や「Thriller」など、サードアルバム「Bad」への布石を感じさせる。アルバムに収録された全9曲は、全く無駄な曲が無い。全曲がシングルチャート入りを果たし、Eddy Van Halenのギターが唸るロックの名曲「Beat It」、7週連続1位を記録し、アルバム中最大のヒット曲となった「Billy Jean」、ミュージックビデオの常識を変えた「Thriller」、Paul McCartneyとのデュエット「The Girl is Mine」 (同時期にPaul側の曲にマイケルが参加した名曲「Say, Say, Say」も大ヒット)、姉のラトーヤ、妹のジャネットがコーラスで参加した「P.Y.T.」、ノリが最高で今でも多くのカバー曲を産んでいる「Wanna Be Startin’ Somethin’」、そしてこのアルバムで僕が特に好きな2曲、「Baby Be Mine」と「Human Nature」は「Off The Wall」を更に進化させた大人の傑作R&Bである。そして前アルバムのバラード「She’s Out Of My Life」にも匹敵するバラードの傑作、「Lady in My Life」もマイケルが思わず声を詰まらせてしまう程の入魂の1曲。兎に角全9曲はどれも全く遊び/無駄が無い完璧な作りで、これ程完成度の高いアルバムは本当に類を見ない。



3) 「Bad」
1987年発売。全世界で3,200万枚を販売。「Thriller」があまりにも凄いアルバムになってしまった為、これに続くアルバムは相当なプレッシャーだったと思うが、Quincy Jonesとのサードアルバム「Bad」は、「Thriller」に引けを取らず、大人のR&Bであった「Thriller」とは打って変わって、完全なロックアルバムに仕上がっており、今聴いてもそのレベルの高さに驚かされる。その意味では逆にサウンドが若返っているとも言えるのだ。タイトル曲でミュージックビデオも話題を呼んだシングル「Bad」、軽快なシングル「The Way You Make Me Feel」、バラードの傑作「I Just Can’t Stop Loving You」、ロック色の強い「Dirty Diana」、切れ味の鋭い「Smooth Criminal」、そしてスケール感の大きな「Man in the Mirror」。この他にもスピード感のある「Speed Demon」、リビア女性への思いを歌ったエキゾチックなサウンドが忘れがたい「Liberian Girl」、如何にもStevie Wonderらしい重いシンセサウンドが弾ける彼とのデュエット「Just Good Friends」、マイケルの新骨頂で、後の「Dangerous」にも繋がる軽快なビートが魅力の「Another Part of Me」、パパラッチに悩まされていたマイケルのプライベートなメッセージ色が強い「Leave Me Alone」。全11曲はこれまた完璧な内容だ。さすがに怪物アルバム「Thriller」の売上を超えることは出来なかったが、それでも数々の賞を総なめし、「Thriller」を上回る4曲のNo.1ヒットを輩出したのは素晴らしいとしかいいようが無い。



4) 「Dangerous」
1991年発売。全世界で3,000万枚販売。4枚目のアルバム「Dangerous」は、プロデューサーにテディーライリーを向え、New Jack Swingサウンドによって鮮やかな進化を遂げたダンスアルバム。常に新たな方向性にチャレンジするマイケルならではの、これまた見事な傑作アルバムである。シングルヒット数こそ「Bad」に及ばなかったものの、エジプト系のミュージックビデオも印象的な「Remember The Time」、「We Are the World」にも通じるスケール感を持つ「Heal The World」、大ヒットシングル「Black Or White」などを収録し、世界的な売上は「Bad」にも匹敵する記録を打ち立てた。また、亡くなった今改めて心に染みるのが「Gone too Soon」。まさに早く逝き過ぎたマイケルを思うと、涙無しでは聴けない曲だ。アルバム前半の「Jam」、「Why You Wanna Trip On Me」、「Can’t Let Her Get Away」などはどれもテディーライリーらしいビートの利いた作品だ。



5) 「HIStory – Past, Present & Future」
1995年発売。全世界で2,000万枚販売。マイケルのこれまでの足跡をベストヒット曲で振り返るベスト版と、新たにJam & Lewisにプロデュースされた新アルバムの2枚組企画。特に、ニューアルバムの方は、妹Janet Jacksonとのデュエットで話題を呼んだ「Scream」を収録。その他は「They Don’ really Care about us」、「Childhood」、「Tabloid Junkie」など、マイケルの心の叫びが聞こえそうな曲が多く収録されており、極めて私的なアルバムとなっている。特に「Childhood」は彼の幼少期を探る意味で重要な作品。この他「2Bad」は前作「Dangerous」を踏襲したビートの利いた作品で、「Stranger in Moscow」などもなかなか印象的である。



6)「Invincible」
2001年発売。全世界で1,000万枚販売。この5枚目のアルバムは、結局最後のアルバムになってしまった。今までの作品のレベルがあまりにも高さ過ぎてやや地味な印象で、しかもやや退屈な曲も入った全16曲にも及ぶ大作。しかしシングルヒットした「You Rock My World」はマイケルの健在ぶりをアピールするには充分過ぎる作品であった。前半の「Unbreakable」、「Heartbreaker」、タイトル曲の「Invincible」は「Dangerous」を踏襲したダンサブルな打ち込みサウンドが続く。しかし、このアルバムで特筆すべきなのは、そのバラード系楽曲の素晴らしさ。まずは「Break of Dawn」は「Thriller」時代を思わせる大人なR&Bが実に美しい曲だ。そして「Heaven Can Wait」は、今は亡きマイケルを思うと実に泣けてくる歌詞の極上バラード。まさに天国から来たような名曲だ。そして更に「Butterflies」は「Off The Wall」に入っていてもおかしくない傑作バラード。マイケルのプリンス並みのハイボイスも堪能出来る作品。「Speechless」は「Man In the Mirror」や「Heal the World」にも通じるスケール感のある合唱系バラード。「You Are My Life」も歌詞が美しいメロディーとマッチした忘れがたい作品。16曲も収録したアルバムなので統一感と締まりという意味ではやや不満の残るアルバムだが、ここで挙げたようにバラードの傑作を最も多く収録した愛すべきアルバムであり、個人的にはかなり気に入っている。



7) 「Thriller 25」
これは2008年に「Thriller」の25周年記念に発売された。「Thriller」全9曲を収録し、更にKanye West, Will-I-am、Fergie、Akonなど今をときめく人気R&Bアーティストによる新たなリミックスバージョンが収録され、更にマイケルの「Thriller」発表当時に制作されていたにも関らず未発表となっていた曲、「For All Time」、「Got The Hots」が収録されている。これはファンにはたまらない出来事であった。「For All Time」は「Thriller」への収録に漏れてしまったらしいが、「Human Nature」にも通じるアダルトR&Bの傑作で、当時収録されなかったこと自体驚いてしまうくらいの完成度である。また「Got The Hots」は「Off The Wall」に収録されていてもおかしくないレベルの若々しいR&Bサウンド。この2曲を聴くためだけにでもこの25周年版「Thriller」を購入する価値有り。

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