僕が毎週観ているマニアックなBS番組、『おぎやはぎの愛車遍歴』で今週安藤優子を迎えての“安藤優子に乗って欲しい、世界のオープンカーショー”と題して、オープンカーの総力特集が放送され、思わず感激してしまった。Z3を乗っている身としては、こう言ったオープンカーの素晴らしさを取り上げてくれる企画は最高に嬉しい限りである。
そもそもこの番組は、毎回ゲストを呼んで、愛車遍歴を語って貰いながら、実際にその車を試乗するという何ともマニアックな番組。車好きにはたまらない番組だが、ゲストの車趣味に“そうそう!”と共感しながら楽しめる場合もあれば、自分とは全く違う趣味ながらも車の新たな発見があったりするのもまた楽しい。
今回は、過去にソアラやサーブなどオープンカーを乗ってきた“オープンカー好き”の安藤優子をゲストに、オープンカーの歴史なども振り返りながら、安藤さんにおススメのオープンカーを紹介していく企画である。
最初に登場したのが2001年頃の4代目トヨタ・ソアラ。とても洗練されたヨーロピアンデザインが美しく、ボディの曲線美や上質なレザーインテリアなど、今見ても美しい車である。今だと85万円くらいで買えるというから驚きだ。当時はこの10倍くらいしていたと思う。V8 4.2Lの4人乗りということで、2シーターのZ3からすると割とサイズは大きいが、フォルムはなかなか美しい。
番組の中で、おぎやはぎから、“安藤さんは、オープンカーが好きってはっきり言ってくれるところが好き”というコメントがあり、僕も共感してしまった。普通は女性はオープンカーを嫌う傾向が強い。髪やメイクが乱れる上、直射日光・紫外線をモロに受けるオープンカーは、一般的に女性ウケが悪いものだ。どちらかと言えば、オープンカーは“おやじ”だけが自己満足で乗る、実用性の無い車“というイメージが世間一般には強いのである。しかし、安藤さんは”風を感じて、一体化して走れる“ところや、”空が限りなく広い”から好きとはっきりコメントしており、女性の中でも少数派かもしれないが、オープンカー好きからすると本当に嬉しい存在である。
オープンカーというのは和製英語であり、正式には4人乗りで屋根のあるスタンダードバージョンにオープンバージョンがある車は“カブリオレ”や“コンバーチブル”と呼び、2シーターのオープンスポーツは“ロードスター”と呼ぶのが正しいのである。
番組では更に様々な魅力的なオープンカーが続々登場。まずは世界で最も台数を販売しているマツダのロードスター。その昔はユーノス・ロードスターとして世界中で販売されていたが、リーズナブルな価格でお手軽に乗れる2シーターという意味で絶大な人気を誇っていた。最新のマツダ・ロードスターはなかなか良く出来ている。インテリアもかなり高級感があり、電動ループやドリンクホルダーの位置も工夫されており、とても良い進化を遂げていると思った。正直僕はBMW派なので、マツダのロードスターを実際買いたいとまでは思ったことが無いのだが、新車で買うオープンスポーツとして検討するなら、マツダのロードスターは良い選択肢であろう。
安藤さん小木さんがマツダ・ロードスターの試乗中、ワンちゃんを乗せて走ったら楽しそうという話題になり、ワンちゃん談義がまた面白かった。うちのZ3も助手席はきなこ専用シートになっており、まさに一緒に風を切ってオープンで走りたいというのが僕の長年の夢であった。
マツダ・ロードスターの次は、“世界のオープンカー“を振り返る企画となり、マツダ・ロードスターが出るまでは世界で一番売れてたオープンスポーツであったイギリスのMG MGBが紹介されていた。続いてベンツのSLシリーズが取り上げられ、300SLから最新のAMG SLまでを紹介。更に2021に製造中止となってしまった軽量ボディのロータス・エリーゼも紹介。国産ではダットサンの12型フェートンなどのクラシックカーから、ホンダS800など、往年の名車が紹介されて面白かった。
そして、安藤優子憧れのオープンカーとして、ポルシェ911カレラカブリオレが登場。お尻も素敵な独特なフォルムは、やっぱりさすがのポルシェである。矢作も“乗ったら終わり“と言っていたが、一度乗ったらその魅力の虜になってしまう車なのだろう。ポルシェはさすがに手が出ないので、真剣に検討したようなことは無いが、やっぱりスポーツカーの中では、フェラーリよりもポルシェの方がしっくりくるし、BMWと同じドイツらしい走りの哲学が宿っているポルシェはどこか惹かれる部分はある。
最後に登場したのが、一見マスタングのようないかつい顔つきの真っ黒なオープンカー。まるでバットマンの“バットモービル”のようなカッコ良さである。僕も知らなかったのだがこれは『ミツオカ・ロックスター』で、マニアックな車を多く設計していることでも有名な光岡モーターズからの一台だが、ベースはマツダのロードスターとのこと。ボディはまるでアメ車のようなユニークな別物に仕上がっているのが素晴らしく、インパネやインテリアはマツダ・ロードスターと同じだが、外見は全く違うというのが面白い。中古車でも742万円もするらしい。幌の開閉は手動だが、とても楽に操作できる工夫があり、とても勉強になった。
この『ミツオカ・ロックスター』を試乗しながら番組は終わるが、最後に安藤優子にとってオープンカーとは?との問いに、安藤優子は、『人生の究極の遊び』だと言い切っていた。それぞれのオープンカーに、それぞれの醍醐味があり、人格さえも変えてくれる経験となるのがオープンカーだという話で盛り上がったが、僕の経験でも、1998年に初めて買ったZ3である意味人格が変わった気がするので、このトークにはまさに共感してしまった。
毎回楽しく拝見している『おぎやはぎの愛車遍歴』だが、今回はオープンカー特集だったこともあり、共感することも多く、特に面白かった。車遍歴はその人の人格を表す面もあると思うが、安藤優子についても色々と知るきっかけとなった。やっぱり、オープンカーは乗った人でないと、その究極の解放感と喜びがなかなかわからないかもしれない。この番組を観て、益々Z3愛が深まったような気がする。