夕暮れの陸羽東線の線路が雨に濡れて赤く光っている。山あいを巡るローカル線の旅に出てみた。
薄暮の時間帯と雨は旅情を誘う。列車で日本を一人旅する事は以前から好きだった。初めに一人旅したのは小学3年生の時、東京から親戚のいる広島まで。
当時はまだ大阪までしか新幹線が通っておらず、在来線に乗り換えて広島まで行った。次は小学5年生の時、3泊4日で本州と九州を一周した。とにかく列車に乗るのが好きだったので、
宿には泊まらず寝台列車などに乗りっぱなし。小学6年生の時は、雪が好き広大な大地が好きということで冬の北海道に1週間。その後単車に乗るようになってからは、
鉄道で旅することは少なくなったが、最近はまた鉄道で旅をしたくなり、東北の特に非電化区間を重点的に鉄旅の魅力を味わってみた。架線のない鉄道風景はすっきりしているし、
人口密度の低い街や集落などを眺めているのも郷愁を誘う。線路のジョイント音や気動車のディーゼルエンジンが唸る音も好きだ。
しかし鉄道好きの旅は、列車に乗る前から始まっている。時刻表を見てあれこれ旅の計画を立てるのも鉄旅の醍醐味の一つである。またそう遠くないうちに鉄旅をしたいものだ。
風景写真家 縄手英樹 https://nawatephoto.com/