D'Trick mania

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長野まゆみ 『絶対安全少年』

2010-05-14 | book
過去に読んだ記憶がなく、古本屋で買った風でもないのに、何故か手元にあったのは単行本。

表紙も扉も著者によるイラストで、更に…。
著者の少年趣味が詰まった文章をまとめた一冊です。



●遊廓の少年
書き下ろし

ややミステリーしたての話。
このタイトルの予想される内容でのクライマックス?!の場面の挿絵があるページは、電車の中で広げるには適してないと思います。


●特製《豆蔵辞典》
書き下ろし

仲の良い少年ふたりが作る辞典という体裁。
ひとりが文章を書き、もうひとりが挿絵を担当し、お互いの兄たちに相談して書いている。
味わいはタバコを吹かす理科系少年、ついでに行きすぎた兄への思慕。


●雪の落とし子
「月刊MOE」1998年12月

兄弟もの。
唯一、少年の挿絵はない。


●読み違え「少年」詩歌集
書き下ろし

古今日本の詩歌を冒頭に紹介し、その解説を「少年」的解釈をし、最後にその詩歌からおこした詩歌と挿絵が挿入されている長野まゆみアンソロジー。
…すごいですよ…。


●少年的日常
・求ム、天然理科少年 「新潮」1989年10月号
・カムパネルラの肖像 「新潮」1990年10月号
・少年「読書」漂流記 「新刊ニュース」1989年3月号
・少年の行方 「新潮」1996年2月号
・清冽可憐 「文學界」1995年9月号
・『猫と少年』を探す 「群像」2000年2月号

少年に関するエッセイとして書かれた文章それぞれに挿絵が加えられている。
主張とゆうかネタ明かし的…?



単行本:2000年12月



「(遊廓の少年)あれも気に入っているんです。」
「(『注文の多い料理店』のようでもあり、しかも少年で、遊廓ですよ。)誰も読まないから何も指摘しないですけどね。何の審査もなくというか、素通りで私の本って図書館に入りますよ。あれが猫とか夢とかになっているからわかりにくいんです。」

(別冊文藝より 著者談)

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