”気ままな…ホルン道楽”

近未来検診(中編)

椅子に腰掛けて、いわれたとおりカプセルを飲み込みました。
なんの違和感もありません。
(あとで聞いた話では、カプセルはオブラートのようなのもでコーティングされていて、飲みやすくなっているとのこと。)

それから、計測室に案内されました。
ここでは昔ながらのやり方で、身長、体重、視力、聴力の測定を行います。
あまりにも最先端な機器類の中で、この測定室だけは昔のままのレトロな雰囲気たっぷりです。
人間の感覚のバランスを保つためなのだそうです。
体重計は、なんとバネばかりです。
最近は見かけませんよね。
大昔、銭湯などにあったものの復刻版だとのこと。

さらに、驚いたのが視力検査です。
昔は、四角いボックスに額をくっつけ眼をあてて、中のCマークやひらがな文字を読んで判定しました。
しかし、この方法では最大瞬間風速のような一瞬の視力しか測定できません。
実際、じぃっとみて読めるかどうか…最初は見えたがだんだん読めなくなった…、
といった実生活での視力と、かけ離れているというのです。
そこで昔ながらのやり方、つまりは木製のおたま道具で片目を塞ぎ、検査表を読み上げるのです。
しかも時間をかけて、ゆっくりやるのがポイントのようです。
最初の数分間はデータとしては無効にするとか…。

ひととおり測定が終わると、こんどは静かなそして薄暗い個室に案内されます。

リクライニングシートが中央にありました。

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