強殖装甲ガイバー (32) (カドカワコミックス・エース) | |
クリエーター情報なし | |
KADOKAWA/角川書店 |
とうとう強殖装甲ガイバーの32巻が刊行されるみたいです。
普通なら喜ぶべきところなんですが――なんか厭な予感しかしない。
というのは、最近のガイバーって、これまでにも何度か述べてるとおり、方向性が変なんですよね。
否、冷静に考えれば星間戦争をやるのにそのための兵器を数十万年もかけて開発って時点でアレなんですけど。その間に戦争決着しそうな話だよね。
しかも星間戦争という括りで考えるなら、出来た兵器がしょぼすぎる。
ぶっちゃけ獣化兵自体が航空戦力撃破後の戦場への降着、実際の戦争に当て嵌めるなら制空権を奪ってのちの地上戦に用いるのが前提のはずなのですが。
仮に出来たとしても
というわけで、獣化兵って地上戦以外ではあんまり使い物にならないと思うんですよね。そしてその地上戦でも、さほど有用であるとは思えません。超遠距離戦における飛び道具を持ってる個体がいないから。
ガスターの
生体レーザーが悪天候下に弱いことは前述のとおりですし、ノズコフの生体超音波砲は気圧や湿度の影響を受けます。というか、そもそも空気を媒体にする以上真空間では役に立ちませんしね。要するに、天候を問わずに安定して使える戦力ではないのです。地上に空気があるかどうかもわかんないし。
となると、降臨者って結局なにがしたいんだべかって感じです。
アルカンフェルみたいなのをしこたま量産したほうがいいんじゃなかろうか。当時降臨者が自分たちで開発したものも含めて、あらゆる獣化兵はアルカンフェルに毛ほどの傷もつけられないでしょうからね。
で、タイトルなんですが。
前に一回、31巻以降のぶんを本屋で立ち読みしたんですよ。否、別な本をちゃんと買ったんですけど。S660のすべてだったかな。
なんかね、のっぺりした黒い影とXD化したギガンティック・ダーク――なぜダークのほうはガイバーからXDまでカラーリングが共通なのだろう――の戦闘シーンだったんですが、ちっこい窓みたいなのの中にラグナク・ド・クルメグニクの首だけ出てるんですよ。
それ見て超魔ゾンビとか、究極合体魔導王Ωアビゲール一世を思い出したのはたぶん俺だけでござろう。
なにがやな予感するかって、まず第一にかっこ悪い。というか、もはやもともとのギュオーやミラービリス、アルカンフェルの様な初期の獣神将像は失われてますね。ミラービリス閣下再登場はよ。
そして、すでに戦闘力のインフレが始まってます。プルクシュタールとかミラービリス戦のときの様な盛り上がりは期待出来ない。
そして今回もどうせまた、今までの伏線はひとつも回収されないまま伏線バンバン増えていくんでしょうね……
あとぶっちゃけていえば、戦闘シーンがめっちゃ雑なんですよ。
ガイバー2F対ゼルブブス改戦なんか実にわかりやすいですね。おそらく彼女の言動からすると派手な立ち回りを好むのはガイバー1を誘い出すためなんでしょうけど、高周波ソードをあっさり防がれて少しは苦戦になるかと思いきや、次の瞬間には口に手を突っ込んで一発で斃すとか。
ゼルブブス改はもともとは小説版に登場した超獣化兵で、オリジナルのゼルブブスが追加調製を施された個体です。全身の黒色突起物はプレッシャーカノンやソニックバスター、高周波ソードといった攻撃を固有の波動を打ち消すことで減衰する画期的な防御システム、右手の鈎爪は伸縮自在の高周波クロー、左手には
高周波クローを躱したガイバー2Fが突っ込むと
「接近戦に持ち込むつもりか? 馬鹿めそんなことをしても」
ガイバー2Fがプレッシャーカノンの準備を始めながら最接近すると
「く……このッ」
で、振り回した左手の鈎爪をあっさり躱された揚句、次の瞬間口に手を突っ込まれてプレッシャーカノンで頭部を吹き飛ばされる。
確かに体内まではカバー出来ひんやろうけどさぁ、最接近されても自信満々やったんやし、なんちゅうかもうちょっとこう、あるやろ?
あとガイバー2Fの中の人、美人なのでしょっちゅう脱いでくれるのはまあいいんですが、なんか精神的に問題あるんじゃないかってくらい動揺したり一ページ後には高笑いしたりと情緒不安定気味です。
それに彼女の戦う動機も、正直紙の様に薄っぺらいし。以前だったらアプトム戦みたいに、戦いながら動機を激白となるところなんでしょうけど、彼女の場合はそうでもなかった。
それに、『兄貴を見返すつもりだったのに殺されちゃったから、代わりに兄貴を殺したおまえを殺します』とか言われても、主人公も困るでしょう。獣神将目指したほうが、目的としてはまともな気がします。
ミラービリス閣下初登場シーンのインパクト凄かったし、あの路線に戻ってくれないかと切に願いますが、XDが登場しちゃった以上はもう無理ですね。
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