【俺も一挺ほしい】電動ガンでもいいから。

　Genocider from the Dark 21から23までを加筆修正しました。

　MP5はひと昔前に一世を風靡したサブマシンガンです。

　英陸軍特殊空挺連隊SASRがイラン大使館人質事件ではじめてメディアの前に姿を現した、あの映像は非常に衝撃的でした。そのときに彼らが装備していたのがMP5です。
　今でこそテロリスト《エクスレイ》の抗弾装備の性能が向上してきたためにPDWの後塵を拝する様になってしまいましたが、当時は高い命中精度で対テロリスト・チームの心を鷲掴みにしたものです。心を鷲掴みにしたものです。
　MP5Aはもっとも標準的なモデルで、A1からA3までの標準モデルと三点規正射機能搭載型のA4、A5が存在します。
　A1とA2の相違点はストック形状のみで、のちのHKの火器に見られる弾頭のアイコンによる射撃モードの表示ではなく安全《Sicher》、単発《Einzelfeuer》、フルオート射撃《unbegrenzter Feuerstoß》と文字で記されたレシーヴァーユニットを装備しています。
　俗にSEFグループと呼ばれているそうです。なお、初期モデルはSEFの代わりに01Aとなっているそうな。
　A3は銃身周りの構造を変更してより命中性能を高めたもので、弾頭アイコンによる撃発セレクターを採用したレシーヴァーを備えています。
　A4、A5はA3をベースに規正射機能を追加したもので、両者の差異はストック形状です。

　アルカードの装備しているものはA3をベースに側面のリブに鋼板を熔接して強度を高め、フォアグリップにグレネードランチャーを装備したもので、大型のフラッシュハイダーを備えています。ストックは備えておらず、MP5Kのスリングスイベルつきのキャップを流用して装着しています。
　最新型のPDWを装備していないのは、拳銃弾と弾薬の共用が利かないからです。
　作中に登場するのはGIGN向けのモデルをベースにしたものです。GIGNの部隊在籍経験があるからですね。
　アルカードは近代兵器の扱いを学ぶためにGSG-9とGIGNに籍を置いた経験があり、HKやSIGザウァーを愛用しているのもその影響です。
　作者の都合としては九ミリ口径同士で共用が利くこと、それにSMGのストック無しのバリエーションを簡単に作れることでした。アルカードの腕力だと銃のリコイルなど無いも同然なので、CQBの索敵《クリアリング》を行う状況ならともかく吸血鬼相手の戦闘ならストックは必要無いのです。
　なお、MP5には伸縮式・固定式・折りたたみ式の三種類のストックがありますが、レールを潰してしまったため伸縮式ストックは使おうとしても使えません。

　あと、彼はMP5Kのブリーフケース入りモデル、コッファーも一挺持っています。ヴァチカンの要人警護を引き受けることがあるためで、ブリーフケースはぱっと見で判別出来ない様カーボンシートを貼ったりして外観を変えています。

【業務連絡】
　夏は嫌いです……俺汗疹酷いから……