一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

珍しい楽器

2020年12月29日 | ファゴット
いつもなら、今日は年末のお楽しみ、
「Bassoon Bush~ファゴット交流会」の日なんだけど、
今年はコロナのせいで開催見送り
来年はやれると良いなぁ。
本当に残念。 去年の12月29日Bassoon Bash'19 無事終了!

さて、Bassoon Bushの記事の代わりと言ってはなんですが・・・。
先月C中が、新たにダブルリードセクションを立ち上げた時に、
顧問O先生が、T中秘蔵のファゴット2本を借りてきました。

問題はその内の1つの方で、
ケースを開けたらベルの最低音LowBキーが、
真っ直ぐじゃなく、途中で曲げてあるタイプ。
一時期アマティかどこかが、曲がってるタイプを販売してたと思ったので、
てっきりそれだと思ったら、ベルの刻印はあれ?「YAMAHA」
「これ何?初めて見たけど、こんなタイプあるの?
 もしや秘かに流出した試作品が」と一人で興奮
黄色い円の中のキーが曲がってる。

その後、日本のダブルリード界の生き字引、
ルボアの萩森さんに電話して聞いてみました
正体はヤマハのスチューデントモデル、YFG-411。
いわゆる廉価版だそうです。
90年代中の数年間だけ製造されたけど、
あまり数が売れず(たぶん全国で30~40本位では?との事)、
当時販売価格90万円前後だったけど、採算が取れなかったので、
惜しくも数年間で製造終了してしまったそうです

僕は90年から渡米していたので、
この頃の事情にあまり詳しくないんですよね
テナージョイントのオクターブキーも横に向いてる。
これもアマティみたいだな。

「設計はスタンダードとあまり変わらないんだけどね~。」という事らしいです。
確かに写真の数箇所以外、特に変わった感じじゃなかったです。
左手小指のE♭とD♭キーの間に、ローラーが無かったですね。

この楽器も、もう直ぐ30年選手なんだなあ。
現在ヤマハは音大生やプロ向けのスタンダードモデルだけ製造していて、
これも高価なので、おいそれとは手が出ませんが、
ファゴットがそんなにバンバン飛ぶように売れる訳もなく、
採算はギリギリくらいらしいです

最近欧米の各メーカーのファゴットも、じわじわ価格が上がってきており、
ファゴット人口を増やす為にも、廉価版の存在は欠かせないけど、
メーカーさんも商売なので、難しいところですねぇ

さて、今年はすっかりコロナに振り回された一年でしたが、
自分としては、吹き方やリードにいろいろ気付きがあったり、
また新しい出会いがあったりして、
演奏会は出来なくとも、それなりに得るものもあったかなと思っています

来年はコロナも収まっていって、
徐々に演奏会が出来るようになって欲しいなぁ

みなさんもこんな時なので、健康にお気をつけて、
そして良い年をお迎え下さい

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