放射性廃棄物の海洋放出は、福島第一原発の廃炉計画の失敗を明らかにしています。いったん海に流された放射性物質は決して回収できません。一方で、汚染水の発生を止める有効な手段はとられていないままです。放射性廃棄物を意図的に放出し、海を汚染するという選択は、日本の数十年にわたる原発政策が招いたものです。
署名提出、討論会でわかったこと
グリーンピースが政府に署名を提出した2023年8月17日、市民と政府および東京電力との討論会がありました(国際環境NGO FoE Japan主催)。経産省、原子力規制庁、東京電力から10名以上が出席し、市民側は放出に反対する福島県民、オンライン参加者も含め多くの参加がありました。
8月17日の市民と政府・東京電力の討論会 © Ryohei Kataoka / Greenpeace
2015年、政府・東電は、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わず、他核種除去設備で処理した水は発電所敷地内のタンクに貯留します」と文書で約束しています。討論会で「この約束は守られるのか」と問われた際には、はっきりと「守る」と回答していました。それにもかかわらず、海洋放出を推し進めようとする政府の不誠実な姿勢は、到底受け入れられるものではありません。
また、討論会では、グリーンピースはじめ、多くの研究者らが提案してきた陸上に保管する代替案について、ほとんど議論されていなかったことが改めて浮き彫りとなりました。東電は「モルタル固化処分案」については「ALPS小委員会においても検討が行われている」と回答しましたが、検討されたのは地下に埋設する別の方法についてであり、さらにそれも2行書いてあるだけで、会議資料にも議論の記録はありません。
処理費用と期間も大幅に膨れ上がっています。様々な処理方法が検討されていた2018年の時点で、海洋放出の費用は17〜34億円とされていましたが、現在の試算では1200億円となり、処理にかかる期間も52〜88ヶ月程度と書かれていましたが、現在は少なくとも30年以上と言われています。
海を汚染しない選択を求めます
福島第一原発の廃炉作業を進めるために「ALPS処理汚染水」の海洋放出は必要ありません。抜本的な解決策について、グリーンピースは元ゼネラル・エレクトリック社で東電福島第一原発などに勤務していた原子力コンサルタントの佐藤聡氏に委託し、2021年に具体的な提案を含むレポートを公表しています。
欧米で運用されているより高精度な多核種除去設備で限界まで放射性物質を取り除いた処理汚染水を、現行のタンクより堅牢な大型タンクに移し、さらに高度な除去技術を開発するのことが、現段階では最善の解決策であるとグリーンピースは考えます。
●731部隊関連
「戦争の加害展」の感想
◆8月26日(土)講演会
34, シン・チャンウ氏の植民地戦争の文脈で関東大虐殺を考える視点は非常に重要で学んでも学び足りないと感じます。現在も米国帝国および日本含西側が圧倒的非対称な相手に侵略戦争・制裁・政権てん覆をくり返しており終わらない帝国主義を実感。
最後にシン教授が行っに力のある方がちょっとでもやられたときの逆ギレ報復のパターンには深くうなずきました。連想したのはDPRKの「拉致」2002日朝会談で金正日氏が認めて謝罪したのにそれが和解(日本による植民地支配、規模では比かくにならない強制動員への反省も)につながるどころか日本社会全体が逆ギレしヘイトがそこから増加。私はこのときのことがずっと理解できないでいましたが今日のお話で手がかりがつかめた気がしました。
[ご要望]
「日本とドイツの比較」について考察したいことがありますがスペース切れでまたにします。プラス 南京大虐殺と沖縄戦のつながりは大事です。
(50代・-・-・-)